
この駅の近くには詩人・野口雨情が「日本一」と称賛した明治5年創業の鰻(うなぎ)の「かねよ」があり、卵を4個使っただし巻きを鰻に添えたボリュームたっぷりの名物「きんし丼」が大人気です。


『大谷』を出ると「知るも知らぬも逢坂の関」の峠をトンネルで抜け、次は40Rの大カーブに。京津線は急勾配に急カーブの連続で、まさに運転技術が試される路線なんです。

カーブを曲がりきったと思ったら、さあここからがこの路線最大の61パーミルという下り勾配にさしかかります。国内では大井川鉄道井川線、箱根登山鉄道に次ぐ3番目の急勾配。左手に明治時代に日本人だけでつくった国鉄の歴史遺産・旧逢坂山隧道の遺構を見ながら慎重に下っていきます。


その後も幾重のカーブを通過して大津赤十字病院の最寄り駅『上栄町』に到着。ここでは電車が通過する際に線路に自動的に水が噴霧されます。これは雪を融かすものではなく、カーブで車輪とレールの摩擦で起こるキーンキーンのフランジ音を和らげるためにあるんです。周辺住民への心遣いがうれしいですね。

『上栄町』を出ると、ここまでの登山電車から今度は路面電車に早変わり。鉄道規定では路面電車は2両編成・長さ30メートルまでと決まっているんですが、ここは特例で4両編成の電車が堂々と道路上を走り抜けていきます。こんな光景、他ではめったに見られません。





