雨や台風の多いこの時期、利用者が増えるのが「コインランドリー」。最近ではカフェを併設する店舗も増え、洗濯物が仕上がるまでの待ち時間を心地よく過ごせる工夫が凝らされているそうです。さて、兵庫県宍粟市・山崎町には、その逆パターンの「コインランドリーを併設するカフェ」がことし4月に誕生したと聞きつけた筆者。地元住民の新たな交流の場として浸透しつつあるのだとか。
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件のカフェ併設型コインランドリーとは「55cafe(ココカフェ)」。運営者の山内拓也さんは、もともと会員制だったカフェスペースを“誰もが立ち寄れる空間”として再構築しました。山内さんは同じ町内でサンドイッチ専門店「YAMASAND」も手がけています。

木の温もりを感じる落ち着いた雰囲気の店内には随所に遊び心が。例えば「55cafeノート」というユニークなノートは、店を訪れた人が“あるルール”に従って自由に書き込めるもので、来店者同士の緩やかなつながりが生まれています。中には「入籍の記念に来ました」といった書き込みも。

カフェメニューの看板商品は、もちもちとした食感にこだわった「バブルワッフル」。試作を重ねた末にたどり着いた一品です。初めて見た人には驚かれるというボリュームについて山内さんは「学生さんが来てくれることも多いので、お腹いっぱいになってもらいたくて」と語ります。ほかにも、オリジナルのフローズンドリンク「グラキアート」は暑い時期のテイクアウト利用も多いといいます。

カフェは地域のコミュニティスペースとしても活用される予定。今後は絵本の読み聞かせ会や、山内さん主催によるボードゲーム会などの構想もあるとのこと。国道29号線沿いという立地から、旅行者がふらりと立ち寄るケースも少なくないこの場所。地域の日常と旅人の非日常が交差する、そんな場になりつつあります。
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ちょっと一息つきたくなったとき。待ち時間をただの“時間”にしない工夫が、ここにはあるかもしれません。
※ラジオ関西『谷五郎の笑って暮らそう』2025年7月27日放送回より
(取材・文=洲崎春花)




