「お酒はコミュニケーション、飲みにケーション」と言われた時代から、「お酒を飲まない若者が増えている」と変化したのはすでに昔の話。今や「若者は、お酒を飲まない」とまことしやかに囁かれているとか。
国内酒造各社がお酒の魅力を伝えるため様々な工夫を凝らしているそうですが、白鶴酒造株式会社は“液体ではない”アルコール商品で若者にアプローチしていると聞きつけた筆者。同社マーケティング開発本部・今井恵美子さんに話を聞きました。

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日本酒で名を馳せる同社がリリースし、SNS上で話題を集めているのが「ぷるぷるシリーズ」なるもの。これは、厳選した果汁や同社の梅酒を原料としたスパークリングタイプの「お酒のゼリー」で、冷蔵庫で冷やし振ってから飲むのだそう。
お酒とゼリーを結びつけたアイデアに関して、今井さんは次のように話します。
「チューハイ・カクテル・ハイボールなどの低アルコール飲料の市場が広がりを見せており、当社としてももっと若い世代にリーチできるような商品を……という思いがありました。ぷるぷるシリーズは、2010年に発売した『ぷるぷる梅酒』から始まり、おいしさだけでなく“見た目の可愛さ・楽しさ”を大切にしながら開発しています」(今井さん)
2025年8月22日から期間限定発売されている「マスカット」は、マスカット・オブ・アレキサンドリア果汁を使用し、気品あふれる爽やかな甘みと瑞々しい味わいが楽しめるのだとか。シリーズは期間限定を含めて全7アイテムあり、デザート的に楽しむこともできるようにアルコール度数は3~5%と低めの設定。普段お酒をたしなまない人からも「これだけはおいしいと感じる」との声もあるよう。特に若い世代や女性のあいだで話題となっているそうです。
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体質的にお酒がNGな場合をのぞき、「良さが分からない」「なんとなく抵抗感がある」という人達が一定数存在することは確か。しかし、こうしたユニークなアイテムを発信し続けることで、昨今の“酒離れ”に歯止めをかけられるかもしれません。
(取材・文=迫田ヒロミ)
※ラジオ関西『Clip』2025年8月19日放送回より


