飛行機から見下ろすと…池に浮かぶ“謎の日本列島” 一体ナニ? ←正体は兵庫県伊丹市にある「公園」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

飛行機から見下ろすと…池に浮かぶ“謎の日本列島” 一体ナニ? ←正体は兵庫県伊丹市にある「公園」

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 兵庫県伊丹市にある昆陽池(こやいけ)公園。都市公園計画の一環で1968年に開園し、市民が自然と触れ合える場所としてランニングや散歩、早朝の体操などのアクティビティを楽しみたい人々に長年愛されています。

 1973年に野鳥公園として整備されてからはバードウォッチングもさかんだとか。敷地管理をしている、「伊丹市役所都市交通部みどり公園室みどり自然課」の木下智貴さんに詳しい話を聞きました。

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 同公園は都市部にありながら多くの野生動物たちが訪れるそう。「ここ数年、冬場にはコウノトリも飛来しています。自然環境回復の成果かもしれません。公園内の施設に設置されたトレイルカメラにはタヌキやキツネが映り込んだことも」と木下さんは話します。

コウノトリ(画像提供:伊丹市)

 公園内の自然池には「野鳥の島」が浮かんでおり、コゲラ・カワセミ・ヒヨドリ・カモなど年間130種類以上の野鳥が飛来するそう。なんとこの島、上空からは“日本列島の形”に見えることで知られています。そのようなユニークなデザインにした理由は何だったのでしょうか。

「当公園の整備計画策定時にコンサルタントとして業務従事していた中橋文夫さんが書き残していたレポートに記載がありました。この公園は大阪国際空港(伊丹空港)の離陸コース直下に位置しているため、なんと島の形が機上から眼下に確認できることが判明したそうです。そのため、市のランドマークとなるようにと現在の形を採用したそうです」(木下さん)

上空から見た野鳥の島(画像提供:伊丹市)

 園内環境における問題についても木下さんは触れます。過去には鳥の排泄物や餌が沈殿しヘドロ化することなどからアオコが発生したとか。その時は、浄化能力の高いヨシ・ガマ・ホテイアオイ等を池湾岸に植栽し自然浄化を行いました。また、カワウの糞が土壌を汚し木々の立ち枯れを招いてしまったことも。その際は繁殖抑制などを試みたそうです。

 そして、木下さんらが現在最も頭を悩ませているのが「ナガエツルノゲイトウ」。南米原産の多年草で、特定外来生物に指定されています。対策を講じるも、その驚異的な繁殖力により“イタチごっこ状態”なのだとか。木下さんは「排水等にも影響を与えるのでいつか完全駆除することができればと考えています」と述べました。

ナガエツルノゲイトウ(イメージ)

 都市部において、貴重な自然を確保する同公園。木下さんはイベントなども開催したいと意気込みます。「自然に触れて、そこで得た関心や興味を身の回りの植物や生物たちに向けてもらえたら」とメッセージを発信していました。

【参考資料】中橋文夫『伊丹市昆陽池公園の計画設計監理、並びに管理運営の報告』

(取材・文=長塚花佳)

※ラジオ関西『Clip』水曜日 2025年8月27日放送回より

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