“心への寄り添い”を得意とし、長い歴史とともに地域に根ざしているマスメディアとして挙げられるラジオと新聞。このたび、2つのメディアがタッグを組んだ特別企画が展開される。
1998(平成10)年以降、不登校児童数は増加の一途をたどり、こども家庭庁が2023(令和5)年に発表したデータによると、小・中学校における不登校児童生徒数は約34万6千人にも上り、11年連続で増加し、過去最多となった。
長きにわたって社会問題とされてきた課題に真正面から取り組むべく、タッグを組んだのが、「レディオキューブ」として親しまれるFM三重(本社・三重県津市観音寺町)と、中日新聞社(本社・愛知県名古屋市中区)。このたびの特別企画では、ラジオ番組と新聞という異なる角度から、この課題に向き合っている。
同企画のラジオ放送部門を担当するのは、FM三重のアナウンサー・代田和也さん。自身も、地元・長野県で過ごしていた中学生時代に不登校を経験したという。
「学校がはじまってしまう」「学校に行きたくない」と思う児童の数は、ゴールデンウィークや夏休みなどの長期休暇のあとに増える傾向にある。そのため、番組は夏休み最終日の深夜・8月31日(日)24時〜25時に、1時間枠の生放送特別番組として編成・放送される。
番組タイトルは『今夜は特に眠れない~学校にいけない君へ~』。悩んでいる子どもたちに寄り添い、苦しみながらでも生きる喜びを、たとえ少しでも見つけてもらいたいとの思いから、「学校は人生の通り道に過ぎない。行かなくてもその先の人生は作れる。明日も生き抜くぜ、みんな」と語りかける。
特別放送は今年で3回目。これまでと同様に、生放送内では、リスナーから募集した“10代に贈るメッセージ”が放送される予定だ。
ゲストは、愛知県出身で漫画家の棚園正一さん。棚園さんは、義務教育期間の小学校から中学校までの9年間を不登校で過ごした経験を持つ。
棚園さんが漫画家を志したのは、不登校児童だった13歳のときに漫画家・鳥山明さんに出会ったことがきっかけ。その後、自身の経験を描いた『学校へ行けない僕と9人の先生』『学校へ行けなかった僕と9人の友だち』(双葉社)を出版した。





