■ポーランドの文化・ジャズを支える人々
今回の取材では、他にも様々な形でポーランドのジャズや文化活動を支える方々から話を伺いました。
ポーランドジャズに関するメディアとして欠かせないのが世界最古参ジャズ雑誌の一つ、1964年創刊の「Jazz Forum」です。
編集長のパヴェウさんはポーランドジャズの生き字引のような存在。Jazz Forum自体の歴史はもちろん、Miles Davisが出演した1983年のJazz Jamboree(ヨーロッパ最古参のジャズフェス)のことやその時ご本人にインタビューしたことなど、ポーランドジャズにまつわるあれこれを、日本から来る我々のために紹介。渡辺貞夫さんが事務所を訪れたときの写真も用意してくれていました。


ワルシャワ市民の憩いの場、ワジェンキ公園を望むレストランでお話を聞かせてくれたのは、ジャーナリストのクシシュトフ(Krzysztof Komorek)さん。
ご自身のウェブサイト「donos kulturalny」での情報発信のほか、OneJazz(インターネットラジオ)やUK Jazz News(ブログ)およびJazz ForumやJazzPressといった雑誌媒体で執筆されています。今回来日するアーティストのラインナップをお見せすると、1組ずつ丁寧に解説してくださいました。

ポーランドの偉大な詩人の名を冠した「Adam Mickiewicz Institute(アダム・ミツキェヴィチ財団)」は、ポーランドのアーティスト支援において多大な貢献をしている団体です。ポーランド文化庁のバックアップのもと、国を代表する機関としてポーランド文化・芸術の発信をミッションに掲げており、ポーランド人アーティストによる国外の活動を支援したり、ポーランド文化を発信するウェブサイト「Culture.pl」を運営したりしています。
同団体は今回の万博開催にあわせて「ポ!ランド」と銘打ったイベントシリーズを立ち上げ、大阪各地で芸術イベントを企画・開催。10月にはポーランドのレーベルLado ABCのオーナーとしても有名なドラマーMacio Morrettiのバンド「Mitch & Mitch」や、楽器を自分で作って演奏するアーティストPaweł Romańczukの「Małe Instrumenty」の出演するコンサートも開催されます。

ジャズミュージシャンの支援団体として2012年に設立された「Jazz Po Polsku」のヤクブさんとは、5月のLemańczyk/Golicki/Sarnecki Trioの来日ツアー時以来の再会でした。
Jazz Po Polskuはポーランドのジャズミュージシャンを海外に紹介する活動をしているNGOで、毎年多くのバンドを海外ツアーに送り出しているほか、Jassmineでも定期的にコンサートを開催しています(今回お邪魔したKasia Pietrzko TrioもJazz Po Polsku主催でした)。
ヤクブさん自身もほぼ全ての海外ツアーに帯同していて(年間約100日はツアーに出ているとのこと!)、今回もJazz from Poland in Japanに参加するTomasz Chyła Quintetを中国ツアーに連れて行く予定だそうで、ポーランドジャズの普及に尽力している一人です。






