大阪・関西万博のイタリアパビリオンで8月31日、新たな美術作品の展示が始まった。

作品は、ルネサンス期に活躍したピエトロ・ヴァンヌッチ(通称・ペルジーノ 1450頃〜1523)の絵画『正義の旗』。
ペルージャのウンブリア国立美術館に所蔵され、イタリア国外での展示は初。10月13日の閉幕日まで鑑賞できる。


ペルジーノは、イタリア・ルネサンス期の三大巨匠(※)の一人・ラファエロの師匠として知られる。
最も成熟していたとされる1496年に制作された。 縦約2.2メートル、横約1.4メートルの油彩絵画は、上下2段で構成されている。

上段にはセラフィム(最高位の天使)と踊る天使たちに囲まれた聖母子が描かれ、下段には祈りを捧げる聖フランチェスコと聖ベルナルディーノ・ダ・シエナ、さらに頭巾を被った信者や群衆が描かれている。
背景には、ペルージャ(ウンブリア州・州都)の街並みが描かれている。


『正義の旗』は、聖ベルナルディーノ信徒会がペルージャの街を行進する際の旗(ゴンファローネ)として依頼したもの。
背景のペルージャの街並みとして、プリオーリ宮殿、サン・ロレンツォ大聖堂の鐘楼、サンタ・マリア・デイ・セルヴィ教会(現存せず)が描かれ、地域的なアイデンティティが強く込められている。







