来訪者には「へそ到達証明書」を発行? 東経135度と北緯35度が交差するまち・兵庫県西脇市

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 古くから「播州織」「播州釣針」の産地として栄えた西脇市。神戸ビーフの素牛(もとうし)となる「黒田庄和牛」や酒造好適米の代表品種「山田錦」などは全国的にも高い評価を得ています。同市のアレコレについて、西脇市都市経営部まちづくり課の担当者に話を聞きました。

日本へそ公園(画像提供:西脇市)

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 全国にいくつかある「日本のへそ」。西脇市はそのひとつとしても知られていますが、そう言われるようになったのはなんと100年以上前まで遡ります。

「1919年8月、市を訪れた東京高等師範学校附属小学校の肥後盛熊氏が『日本の中心にあたる東経135度北緯35度の交点が西脇市にある』と話していたことが起源です」(担当者)

 その事実を受け1923年に「大正のへそ標識」が建立。現在市内には、世界的建築家のパトリック・ベルジェ氏設計の「日本のへそモニュメント(平成のへそ)」や「日本へそ公園」など、市内には“へそ”をテーマにしたスポットも設置されています。

大正のへそ標識(画像提供:西脇市)

 2023年度には100周年を迎え、講演会や謎解きイベント等の記念事業を行いました。こうした取り組みの目的を「西脇市の歴史について造詣を深めてもらうとともに、“日本のへそ”であることを広くアピールするため」と担当者。また、市最大の花火まつりである「日本のへそ西脇夏まつり」をはじめとした各種イベントの開催や、特産品の開発なども積極的に行っているそうです。

日本のへそ(平成のへそ)モニュメント(画像提供:西脇市)

 おもしろいのが「日本のへそ到達証明書」。これは西脇市への訪問記念として発行されるアイテムです。実施のきっかけとなったのは、観光客の声でした。「地理的にも意義がある西脇市を訪れた人から『旅の思い出として記念となるようなものが欲しい』という意見が挙がり誕生しました」と担当者は振り返ります。2013年からスタートし、これまで累計1000部以上が発行されています。

日本のへそ到達証明書(画像提供:西脇市)

 インタビューの最後、担当に意気込みを聞くと「経緯度の交差点が西脇市に存在しているということを次世代を担う子どもたちへ伝えて行きたい」と述べました。

(取材・文=長塚花佳)

※ラジオ関西『Clip』水曜日 2025年9月3日放送回より

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