「ほんま腹たつねん」
そうぼやいてはるのは、女性トイレの清掃員さん。なぜぼやいているかというと、男性トイレでは、掃除をしてもすぐに小便器の下のまわりの床にオシッコをこぼして汚してしまうんだと。
「目の前に『一歩前へ!』と書いてあるのに、守れないんですかね!? 男の人は……」と、ぼやいてはります。

しかし、この「一歩前へ!」のメッセージに違和感を抱いている男性は多いんです。実際問題、「一歩前」というのはどれくらい前なのか? 人によって一歩の距離感は違うので、できるだけ具体的に「あと何センチ前に」と表現するか、どうせ張り紙をするなら「足の立ち位置はコチラ」と記してほしいなと感じているわけです。
このメッセージにもいろいろと種類がありまして、「もう少し前方にてよろしくお願いいたします」「このトイレは皆さまのおかげで清潔に保たれております」など、やんわりとした言い方のものもあります。
なかには、相当怒っているのか「こぼすな!!!」と書いているものもありました。

男性からの反論としては、汚したくてわざとこぼしてるんとちゃいますし、公共のトイレなどを雑に扱っているわけではないのです。
あまり前に出すぎると自分の手が便器につくし、便器に近づきすぎるとはね返りでズボンや足が汚れてしまうんです。
それに、一歩前へ出るだけでは解決しないこともありまして……。自分ではちゃんとしているつもりですが、ときには、大事なとこの具合によって予想外にあらぬ方向へ飛んでいくこともあります。
年配の方に多いのは、出し終えたと思って便器から少し離れたときにまだ出てしまって床に……。いわゆる、“キレが悪い”ってこともあるんです。
だから、「一歩前に出て! 少し待て!」が正しいのかもしれません。







