日本における「お金」の起源は? なぜ通貨単位は「円」に? “硬貨のアレコレ”についても調べてみた | ラジトピ ラジオ関西トピックス

日本における「お金」の起源は? なぜ通貨単位は「円」に? “硬貨のアレコレ”についても調べてみた

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 私たちの生活に無くてはならないもののひとつに「お金」がありますが、今回筆者が注目したのは「硬貨」。日本においての起源など様々な疑問について日本銀行貨幣博物館に取材、調査した内容をまとめました。

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●日本で最初のお金

 国が発行したことがはっきりしているのは「富本銭」という飛鳥時代に作られた銅貨。本格的に流通したのは708年に発行が開始された「和同開珎」とのこと。当時の日本の政治運営は中国を模倣しており、その中の政策のひつとしてお金も作られました。そのためデザインは中国のものにそっくりで、中央に四角い穴が施され漢字があしらわれていました。この時代、硬貨は庶民にまで広く浸透しておらず、都造りにたずさわる大工に給料として与えられていたそう。これを都の市場で利用するなど、あくまで都心や街道沿い・国衙(地方の国の役所)周辺を中心に使われていました。

●庶民がお金を使うようになったのはいつ?

 12世紀半ばから17世紀初めと言われているそう。富本銭以降は13種類の硬貨が登場し、10世紀半ばに発行されたものが最後とされています。それ以降は原材料の供給不足や国の権力が落ちたことから、発行自体が650年ものあいだ途絶えました。そうした状況のなか、12世紀半ばから17世紀初頭に中国から銭貨(主に東アジアで流通した硬貨)が流入し、浸透したそうです。 朝廷や幕府はこれをを嫌がりましたが、国民の多くが使用するため認めざるを得なくなっていったのだとか。

●「お金かどうか」は個人の判断だった!?

 今は国や中央銀行が発行することが当たり前になっていますが、この体制の歴史はたった150年ほどとのこと。これ以前は様々な主体が発行していました。例えば中国から入ってきた銭貨を使用していた頃は、国が発行に関与していなくても、世の人々が「これは金だ」と思えばそうなっていたのです。「お金とは何か」ということを考える必要性を求められた時代でもあったようです。

●銭貨の穴はなぜ「四角」?

 中国には「円が天を表し、四角が地を表す」と言う説があるそうですが、「作り方によるもの」とする説の方が信ぴょう性は高いといいます。高熱で溶かした銅を型に流し入れ固めるのが銭貨の作り方。型から取り出した銭貨の周囲には突起物があり、磨いて取り除いていました。このとき作業をしやすくする固定方法として銭貨の中央に角張った棒を刺したそうで、そのために開けられた穴の形が四角だったのです。

●50円や5円の穴はなぜ「丸い」?

 そもそも丸い穴が空いたお金は大正時代に作られました。当時は「材料の節約」「偽造防止」という意図があったようです。現在の硬貨にも丸穴があるのは、偽造防止に加え「他の貨幣と識別しやすくする」という目的もあります。

●「円」という単位はいつから使われている?

 明治4年に新貨条例が出され、全国統一の単位として生まれました。

●なぜ円(えん)なの?

「円形だから」「中国で西洋の円形銀貨を洋円と呼んでいたのが伝わった」など諸説ありますが、最も有力だとされているのが「香港の単位をそのまま使用した」という説。日本が香港の造幣局の機械を譲り受け硬貨を生産していたため、香港で使われていた銀貨の単位である円を採用したのではないか……と言われています。

(取材・文=堀田将生)

【取材協力】日本銀行貨幣博物館
公式ホームページ

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