防災や減災に「女性の視点から」取り組んでいる甲南女子大学(神戸市東灘区)が、13日、衣食住をテーマにしたイベント「甲南女子大学ぼうさいフェアvol.1~自分で守るいのち、みんなで守るいのち~」を、西宮市内で開催した。

同大学では、阪神・淡路大震災を経験した大学として、被災地支援や防災・減災に関する活動を行ってきた。今回は、去年「地域貢献・人材育成に関する包括連携協定」を結んだ神戸トヨペット株式会社の西宮店を会場に、来場者参加型のワークショップや展示など8つのプログラムを用意した。災害への備えや、いざという時の行動を考えるきっかけにしてほしいという。

ワークショップでは、来場者が牛乳パックを使ったホイッスルづくりに挑戦した。作り方を紹介したのは、同大学の学生プロジェクト団体’himawari’のメンバーで、「小学生の時に作ったことがあり、防災に役立つと思った。好みのシールを貼って、世界でただ一つの笛の完成です」と話した。‘himawari’は、「何か社会に貢献できることがしたい」という、学部も学年も違う学生約10人が集まったグループ。何ができるのか、何がしたいのかを考えた際に浮かんだのが防災だという。南海トラフ地震が起こった際、何をしたらいいのか、何ができるのか、学びたい。でも防災に関する授業はない。それならと地域の中で学びの場づくりを考えているという。

「ローリングストック×食事バランス」を紹介するコーナーでは、ローリングストックに適した食材を使ったレシピを紹介した。また防災カードを使って、家にある食材は何か、それを使ってできるものは何か、参加者とともに楽しみながら考えた。「カードで食材を可視化することで、栄養バランスを見直すきっかけにしてほしい」と、担当した学生は話していた。

会場には「防災服」も展示された。目立ちやすい蛍光色が使われていたり、光が当たると明るく光って見える反射材付きのものも。「食や住が取り上げられることはけっこうあるんですけど、衣って意外に少ないんですよ」と、人間科学部生活環境学科の小野寺美和准教授は話す。災害が発生して逃げる際に、着の身着のままで逃げるケースもある。夜間、暗い所を歩いて避難する場合、車などから「見つけてもらいやすく、気づいてもらいやすい高視認性」の服は、事故を防ぎ身の安全を守るために欠かせない。また服の一部に蓄光の糸を使ったものも有効だという。






