温泉宿で出会う癒やしのアートと旅の魅力 「美作三湯芸術温度2025」を訪ねて (1)湯郷編 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

温泉宿で出会う癒やしのアートと旅の魅力 「美作三湯芸術温度2025」を訪ねて (1)湯郷編

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 岡山県北部にある温泉地「美作三湯」。湯郷・奥津・湯原の旅館やホテルで、県内外のアーティストが作品を制作・展示する回遊型アートイベント「美作三湯芸術温度2025」が開催されています。

 このたび、お笑いコンビ「チキチキジョニー」(岩見真利さん、石原祐美子さん)と、ドラァグクイーンのサマンサ・アナンサさんが現地を訪れ、同イベントで感動や発見といった「温度」を感じつつ、美作ならではのグルメも満喫しました。第1回は、湯郷温泉の旅の様子をお届けします。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 湯郷温泉で最初に訪れたのは、石畳のエントランスが印象的な老舗旅館「季譜の里」。独創的な活け花や白檀の香りに、チキチキジョニーの2人とサマンサさんも癒されました。

 館内で目に飛び込んできたのは、森本啓太さんの作品です。暗い森の中でひっそりと佇む自動販売機を描いた幻想的な一枚に、3人は思わず見入っていました。岩見さんは「だれでも見たことのある風景」と話し、石原さんも「ぎゅっとなる」と感想を口にしました。

森本啓太さんの作品
森本啓太さんの作品

 続いて訪れたのは、旅館「花の宿にしき園」。季節の生花や大女将の押し花絵で館内が彩られ、土足OKのエントランスにもかかわらず、全員が靴を脱いでしまうほど。気品を感じます。

 ここで展示されていた太田三郎さんの作品に、3人は注目しました。昨年、太田さん本人にインタビューでき、その独特な作風を知っていることもあって、サマンサさんは「見ただけで太田先生の作品だ」と実感。

 太田さんの作品の中には、鶴亀算をモチーフにした回答用紙や、使用済み切手を壁一面に貼った作品も。切手の額面を見ると、3、1、4、1、5、9、2、6…と円周率の順に並んでいました。

 同地で3人と偶然出会った太田さんは、「円周率が延々と続くことと、温泉が古くから湧き続けることをイメージした」と作品を解説。さらに「アーティストが作品を作り続ける思いにも通じる」とも語っていました。

昨年のイベントで鶴亀算に挑戦した人々の回答用紙が展示されている
太田三郎さんの使用済み切手の作品

 3軒目は、同地の人気ホテル「湯郷グランドホテル」。ここでは、高橋直宏さんの作品に出会えます。ひとつは月替わりで頭が入れ替わる怪人、もうひとつは圧縮袋に入った「宇宙人を移動中」の人形という、「身体の可変性」をテーマにした2体の人形には、不気味さとかわいらしさが同居。3人も思わずじっくり見入っていました。

高橋直宏氏の作品
高橋直宏さんの作品(左右)中央はドラァグクイーンのサマンサ・アナンサさん

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 せっかく訪れた湯郷温泉。同イベントを楽しむだけでなく、チキチキジョニー&サマンサさんは、同地の名所にも立ち寄ることに。

 その1つ、「現代玩具博物館・オルゴール夢館」は、子どもたちの健やかな成長を願って作られた世界のおもちゃや、100年以上も前に作られたアンティークのオルゴールが展示されているミュージアム。

 ホール内で1曲、聴くと、その温かく心地よい音色に3人もうっとり。「オルゴールは、レコードやCDのような録音物ではなく、機械だけど毎回生演奏です」と、同館の館長。とてもリアルなからくり人形も印象的だったようです。

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