いろいろな舟を知り歴史に触れ、人と海のつながりを学ぶ 特別展「舟と人類」国立民族学博物館

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「舟はいつからあるのか?」。国立民族学博物館(大阪府吹田市)が、開館以来50年に渡って収集した資料から、舟の歴史や人々との関わりについて紹介する特別展「舟と人類―アジア・オセアニアの海の暮らし」が、同館で開催されている。2025年12月9日(火)まで。

あし(葦)舟(ボリビア多民族国)
あし(葦)舟(ボリビア多民族国)

「民博(国立民族学博物館)がこれまでに収集した舟の資料は200点以上あります。今回はその中から選りすぐりの21隻を展示しました。初公開のものもあります」と、今展の実行委員長を務める小野林太郎・同館学術資源研究開発センター・教授は話す。

 人類が最初に建造し、利用した舟は何か?人類史では舟やカヌーが本格的に使われるようになったのは、ホモ・サピエンス以降だと言われている。展示では、アジア・オセアニアを中心に様々な舟を紹介し、その歴史に迫る。

筏(オーストラリア)
筏(オーストラリア)

 人間の歴史の中で、「水上で使う乗り物」として一番古いと考えられているのが「いかだ」だ。現在でも世界各地で使われている。人間は「その場所で手に入る」材料を使って工夫し、様々なタイプの舟をつくってきた。葦を使ったものや動物の皮を使ったもの、またアイヌの人達は木の皮(樹皮)を使ったという。使う材料によって変わる舟の形や大きさを、展示を通してみることができる。

牛皮舟(中華人民共和国)
牛皮舟(中華人民共和国)

 展示場の中央には3隻の舟が並ぶ。「今展の目玉です」(小野実行委員長)。
 パプアニューギニアのクラカヌー。1980年代に収集され、初公開となる。風があるときには帆を使い、風がない時には櫂(かい)で漕いで進む。舟の前と後ろに波を避けるための「たて板」がついており、丸木舟に横の板がついている。このつくりは、古墳時代に日本で使われていた舟の作り方と似ているという。交易などで使われ、貝殻などで飾り付けられているのも特徴だ。

クラカヌー(パプアニューギニア独立国)
中央:クラカヌー(パプアニューギニア独立国)
クラカヌーの先端 貝などで装飾されている
クラカヌーの先端 貝などで装飾されている
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