思わず体を動かしたくなる! 異色のダンスカンパニーがシニアと創作『今日という日が一番若い日!』 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

思わず体を動かしたくなる! 異色のダンスカンパニーがシニアと創作『今日という日が一番若い日!』

LINEで送る

この記事の写真を見る(3枚)

 平田オリザさん(劇作家・演出家)のラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、宮崎県を拠点に活躍するダンスカンパニー『んまつーポス』の豊福彬文さん、みのわそうへいさんが出演。『豊岡演劇祭2025』で上演された、地元シニアが主役のダンス作品を振り返った。

ダンスカンパニー『んまつーポス』の豊福彬文さん(写真中央左)、みのわそうへいさん(同中央右)、番組パーソナリティーの平田オリザ(同左)、田名部真理(同右)

 宮崎県を拠点に活動する『んまつーポス』は、「逆さから物事を考えることで新たな価値を創造する」をコンセプトに活動するダンスユニットだ。

 代表の豊福さんは、宮崎大学教育学部舞踊学研究室で体育の教師を目指していたところ、いつしかダンスの世界に魅了され、2006年に団体を立ち上げた。カンパニー名を逆から読むと「スポーツマン」になることからもわかるように、身体表現の可能性を広げる挑戦的な取り組みを17か国45都市で行ってきた。

 2019年には、拠点を「透明体育館きらきら/国際こども・せいねん劇場みやざき」に置き、“地域と世界をつなぐ文化創造のプラットフォーム”という役割を果たしている。

 今年の『豊岡演劇祭2025』で上演されたのは、会場となったやぶ市民交流広場(兵庫県養父市)が公募したシニア世代21人と、これまでもタッグを組んだことがある香港のダンスカンパニー「Unlock Dancing Plaza」の共同創作となるダンス作品『今日という日が一番若い日』。平均年齢71歳、最高齢84歳、最年少60歳の出演者たちと作り上げたユニークな作品だ。

 チラシと直接的な交渉で出演者を募集し、最終的に21名のシニアが参加。月に2回踊っている人、かつて踊っていた人、まったく踊った経験のない人まで、さまざまな背景を持つ参加者が集まった。

 創作プロセスは驚くほど集中的だった。3日間のクリエイションを経て、土曜日にリハーサル、日曜日に本番というハードスケジュール。“誰一人取り残さない”というコンセプトのもと、それぞれの個性を尊重しながら作品をつくりあげた。2人はこのように振り返った。

「去年はこどもたちと創作しましたが、今年はシニア。“少しだけ走れるシニア”というゆるい条件設定で募集をかけました。説明会には、様子を見に来る程度だった方や、1日しか行かないと宣言される方もいらっしゃいましたが、結果的には舞台上でうれしそうにパフォーマンスしてくださった」(豊福)

「内心、ヒヤヒヤしました。信用してもらえるよう、オリエンテーションもかなり頑張りました(笑)! 結果、当初1日だけ参加予定だった方も『やっぱり全部行くわ』と言ってくださったり、当日は早く来て自主練されていたり。終演後には、『舞台に立つということは楽しいね』と言ってもらえて良かったですね」(みのわ)

んまつーポス×シニアの共創作品『私のことはダンスに聞いて』(撮影:Nishi Junnosuke / 提供:豊岡演劇祭実行委員会)
LINEで送る

関連記事