
閉廷後、将太さんの父親・敏(さとし)さんは会見で、「男も両親も、まだ事件と向き合っていない。当時、未成年だった男に対する親としての責務は何だったのか。『なかったことにする』のが本音ではないのか。私たちが求めているのは賠償金じゃない。残された遺族の精神的苦痛をわかってほしい。私はこれまで命を削ってきた。15年前の生活と将太を返してほしい。責任の所在がどこにあるかを考えてほしかった」と怒りをあらわにした。

事件は22年10月4日夜に発生。将太さんが突然、面識のない男にナイフで複数回刺され死亡した。10年10か月間の逃亡の末、2021年8月4日に逮捕された男の刑事裁判は今年(2025年)10月14日、最高裁が男の上告を棄却し、懲役18年の実刑が確定した。
2023年6月の刑事裁判で、男は殺意を否定し、法廷で遺族と目を合わせることはなかった。いまだに遺族のもとには、正式な謝罪の言葉は届いていない。
次回の裁判は11月12日。男(実刑確定につき収監予定)に対する尋問が非公開で行われる。






