神戸市灘区、六甲道駅から南東へ歩いて約10分、国道2号線沿いに、南台湾の家庭料理をベースにした、素朴でやさしい味わいの食堂がある。
その名は、「小宇宙食堂」。店主の林資穎(リン・シエ)さんは台湾で生まれ育ち、大学時代に神戸へ留学。以来、日本と台湾を行き来しながら、港町で母国の食を伝えてきた。

林さんは幼いころ、体があまり丈夫ではなかったという。母や祖母に連れられ、さまざまな漢方医のもとを訪ねた経験から、「食で体を整える」台湾式の食養生に関心を持つようになった。その思いが、今の店づくりにつながっている。


看板メニューは、台湾の屋台グルメでもおなじみの「ルーローハン」。台湾でも豚肉はメジャーな食材であり、ここでは地元の神戸ポークがそのおいしさを引き立てる。
ランチや予約制のディナーに加え、店ではコロナ禍から始めたテイクアウトや、地域や遠方の人々に楽しんでもらえる特別メニューも手がける。その1つが年末年始限定の「台湾おせち」。台湾の旧正月に食べられる縁起物料理を自家製・無添加で仕上げ、これまで1種類だったものを今年は3種類に増やすなど、試行錯誤を重ねながら魅力を広げている。
「右も左もわからないまま来日しましたが、学生時代からの縁で神戸に根を下ろせたのは、多くの方の支えがあったから。親切にしてくださった人への感謝の気持ちを忘れず、神戸の良さを全国に広げていきたい」と林さん。神戸・六甲の“小さな宇宙”から、今後も台湾の食を通じて人をつないでいく。

※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』より
◆「小宇宙食堂」
神戸市灘区友田町1丁目4-19-2
営業時間 ランチ10:00~15:00(L.O.14:30)、ディナーは完全予約制(2日前までに要連絡)
定休日 不定休
【公式HP】
【公式Instagram】
【公式オンラインストア】
【台湾おせち2026予約ページ(※2025年12月15日まで)】





