坂の多い街・神戸。歩くたびに新しい景色や物語に出会える坂道は、この街ならではの魅力です。
そんな神戸の坂をアイドルと一緒に歩きながら紹介していく連載「神戸スキップ坂」。第2回は、神戸市兵庫区にある「へこたれん坂」をピックアップ。阪神・淡路大震災をきっかけに名付けられたというこの坂を、神戸発アイドルグループ「グットクルー」の一ノ瀬りのさんと一緒に散策してきました。

舞台は、兵庫区・会下山公園の西側にある静かな住宅街。見上げるような急勾配の階段が続く光景は、まるで“入れ替わっちゃう有名映画”のワンシーンのよう。

1995(平成7)年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、この坂の両側に建つ家々がことごとく倒壊し、当時は瓦礫の山と化していたそうです。
その後、震災の教訓を踏まえ、緊急車両が通行できるよう道幅を広げ、中央部に階段を設けた新しい坂が1998(平成10)年6月に完成。「どんな困難にも負けないように」という思いを込めて、住民の手によって『へこたれん坂』と名付けられました。
長さは約40メートル、高低差は約18メートル。“へこたれん”という名前にふさわしい、力強さを感じる坂です。

神戸出身の一ノ瀬さんは、地元の坂道にも思い出があるそう。慣れ親しんだ坂の感覚を思い出したのか、急勾配の階段も軽やかに登っていきます。
ちなみに神戸市の平均傾斜は4.4度(全国平均の約10倍!)。坂の傾きを測る器具「スラント」で実際に測ってみたところ、へこたれん坂の傾斜はなんと17度! この角度は神戸一と言えそうな、そんなインパクト(衝撃)がありますね。

坂の上からは、遠くに神戸の街並みが望めます。登りきったあとに広がるその景色は、頑張ってきた人へのご褒美のよう。





