広島市から来た20代の女性は、「関西に住む姉と一緒に朝7時から沿道に並びました」と興奮した様子。「姉も私も生まれた時から阪神ファン。広島出身ですが、今や堂々と阪神ファンを公言しています」と微笑んだ。

そして、虎ファンの女神と慕われる「トラのおばちゃん」引田孝子さん(兵庫県尼崎市)の姿も。自身が経営する飲食店には多くの虎ファンが訪れる。
「タイガースの快進撃が、私を元気づけてくれた」。1999年に先立った夫とのスナップ写真を片手に、タイガースカラー・黄色のかつらとトラ柄の羽織に身を包み、前日の午後11時に御堂筋へ。淀屋橋で夜を明かした。

阪神・淡路大震災では、西宮市のマンションで被災した引田さん。当時、夫と2人でがれきの中から抜け出した。「お父さんも喜んでるよ、きっと」。目に涙が潤む。そして続けた。「年が明けたら、もう82歳。私ね、震災が起きた1月17日生まれなの。震災から早かったなぁ。いまは1人だけど、タイガースが頑張ってるから寂しくないよ」。




この日、御堂筋沿道に集まったファンは約20万人(実行委発表)。世代を越え、それぞれのファンが「ありがとう」「来年も」とエールを送った。






