坂の多い街・神戸。歩くたびに新しい景色や物語に出会える坂道は、この街ならではの魅力です。
そんな神戸の坂をアイドルと一緒に歩きながら紹介していく連載「神戸スキップ坂」。第3回は、神戸市長田区にある「丸山駅前坂」をピックアップ。神戸発アイドルグループ「グットクルー」の葵まおさんと一緒に散策してきました。

神戸電鉄有馬線の丸山駅は、六甲山地のふもとに位置する小さな駅。
ホームの新開地寄りからは、大阪湾や新長田方面の街並み、晴れた日には瀬戸内海まで見渡すことができます。
駅の裏手には新しい住宅地が広がっていますが、駅前は静かでどこか懐かしい雰囲気。古い商店や住宅が立ち並び、昭和の面影を今に残しています。
一方で、かつて銭湯だった建物がイベントスタジオとして再利用されたり、廃墟がアートギャラリーになっていたり、地域の新しい試みも生まれています。
この駅前から北へと続く坂道が、今回の舞台となる「丸山駅前坂」です。

丸山駅周辺は標高およそ95メートル。駅をまたぐ歩道橋からは、新長田方面の街並みとともに、晴れていれば瀬戸内海まで一望できることも。
「夜になると、景色も風もまた違う良さがあるんだろうなと思いました!」(葵さん)
駅前から緩やかに続く坂を下ると、両側には古い木造住宅や、シャッターを閉じたままの商店が並びます。
かつての生活の息づかいが残るその光景は、どこかなつかしく、時間がゆっくりと流れているよう。
昭和初期には遊園地もあったという丸山地区。「神戸の奥座敷」とも呼ばれたその面影が、今もまちのあちこちに見受けられます。

そして、何より印象的なのが、谷の斜面に家々がまるで張り付くように建ち並ぶ景色。海と山にはさまれた神戸ならではの、立体的でドラマチックな街並みです。
中学生時代、陸上部に所属していたという葵さん。「よく部活で坂ダッシュをしていました。全速力で坂を駆け上がるのはめちゃくちゃしんどいけど、坂を下るときに友達としゃべったりふざけたり、楽しみながら練習していました(笑)。練習はキツかったけど大切な思い出です!」と、笑顔で当時を振り返ります。





