定番のシアトル系から、最近では日本発のスペシャルティコーヒー専門店まで、街を歩けばあちこちで目にするコーヒーチェーン店。最近では、そんなコーヒーチェーンのロゴが入ったペットボトルタイプの商品が広がりを見せています。
その中から今回はスターバックス、タリーズコーヒー、猿田彦珈琲を取り上げ、ブランドが生まれた背景や特徴をおさらいするとともに、“カフェ品質”に各社が力を入れる理由や、最新のペットボトルコーヒー事情についても取材しました。

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1971年にアメリカのシアトルで創業し、日本国内だけで約2000店舗(2025年11月現在)を展開するなど、世界最大規模の店舗数を誇る「スターバックス」。“サードプレイス”の提唱をはじめ、単なるコーヒー店にとどまらない、時代のトレンドを牽引する“シアトル系コーヒーの元祖”は、近年、サントリーと共同開発したペットボトル商品をスーパー・コンビニに送り出しています。
なかでも、今秋発売、ブラックとカフェラテの2種類がある「スターバックス COFFEE OF THE DAY(コーヒー・オブ・ザ・デイ)」について、サントリーの担当者は「スターバックスシアトル本社の研究開発チームとの共同開発で、スターバックス指定の厳選された豆のみを使用しました。焙煎方法にもこだわり、店舗で味わうような深煎りの味わいと甘香ばしい香りを実現させています。カフェラテは、ぎゅっとしたミルク感と心ほぐれる甘さが特徴です」と話します。
今回スターバックスとコラボした本格ペットボトルコーヒーを発売した理由について、サントリーの担当者は以下のように話します。
「コーヒー豆の高騰により大手カフェチェーンの度重なる値上げが続いています。また、インバウンドの増加の影響などもあり満員でカフェに入れないことも多く、カフェが気軽に楽しみにくい時代になっているのではないかと考えました。
そんな中で、RTD(Ready to drink=すぐ飲めるもの)でカフェ品質を味わえるような商品を発売することで、お客様にコーヒーの楽しみを広げていきたいと考えています。
また、”ペットボトルコーヒーはおいしさが落ちるのでは”というイメージを持つ方に対しても、スターバックスブランドを活用することで、手に取ってくださるお客様が増えることを期待しております」
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スターバックスと同じくシアトル発、1992年に生まれ、現在は日本法人が運営するのが「タリーズコーヒー」です。世界各地から厳選した豆をすべて日本国内で焙煎し、「焙煎したての美味しさ」にこだわりを持つという本格派のコーヒーチェーン店。そんな「TULLY’S COFFEE」ブランドのペットボトル商品が、伊藤園から登場しています。
先月(今年10月)発売の「TULLY’S COFFEE PLATINUM(タリーズコーヒー プラチナ)」はBITTER BLACK(ビターブラック)とWHITE LATTE(ホワイトラテ)の2種類。
伊藤園の広報担当者は「比較的苦みが少なく飲みやすい製品が多く見受けられるペットボトルコーヒー飲料のなかでも、しっかりとした『コーヒー感』を求め、スペシャルティコーヒーショップで味わうような“ショップ品質”に価値を求める方が増えています。そのため、コーヒー好きが納得する苦みと豊かな風味を持つ新たなペットボトル入りコーヒー飲料として同シリーズを発売しました」と、昨今の市場のトレンドを分析しつつ同シリーズのクオリティに胸を張ります。
「コーヒー好きが納得する苦みと豊かな風味が特徴で、バリスタが一杯一杯心を込めて淹(い)れたかのような“ショップ品質” の味わいにこだわりました」と話していました。
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2011年に東京・恵比寿で創業した、猿田彦珈琲。入店してからの「接客の15秒」を磨き上げるホスピタリティーや、生豆の生産者と直接取引を行い相互の成長を目指す「ダイレクトトレード」を重視するなど、独自の戦略で注目されています。「たった一杯で幸せになるコーヒー屋」をコンセプトに現在急拡大中のスペシャルティコーヒー専門店からも、コンビニやスーパーで購入できる商品が登場しています。
こちらは要冷蔵のチルドタイプですが、蓋付きのペットボトル型。その1つ、「キリッとBLACKブラックコーヒー(無糖)」について、同社チルドコーヒー担当の猿田さんは「ブラジルスペシャルティコーヒーのパイオニア的存在の『モンテ・アレグレ農園』の豆をメインにグアテマラ・エチオピア等のスペシャルティコーヒー豆をブレンド。口当たり滑らかでキレのよい後味。重厚な質感を表現し、上品な余韻を感じられます」と説明します。(※ほかにも「職人のカフェラテ (甘くない)」「真心SWEETカフェラテ (加糖)」といった商品を展開)




