声楽家・カウンターテナー歌手の藤木大地さんが、このたび、ラジオ番組に出演。さまざまなトークを繰り広げました。
藤木さんは、東京藝術大学音楽学部声楽科を卒業したのち、新国立劇場オペラ研修所・ウィーン国立音楽大学大学院を修了。数々の舞台に立ち、2017年にはオペラの殿堂・ウィーン国立歌劇場で歌うなど、世界的に活躍しています。
「カウンターテナー」とは、男性がファルセット(裏声)などの発生方法を用いて、女性の音域に近い男声のオクターブ上を出すパートを指します。一般的には、女声パートでいうアルトの音域を歌いますが、人によってはソプラノまでカバーできる場合もあるそうです。
藤木さんはもともと、地声でテノール歌手として活動していましたが、あるとき体調不良により地声での練習ができない事態に。そのなかでも歌唱しなければならない楽曲があったため裏声を試したところ、周囲から好評だったそう。この経緯から、カウンターテナーとして学びなおし、現在に至るとのことです。
普段話しているときとは異なる裏声で歌うというのは、発声方法が違うのかと尋ねられたところ、藤木さんは以下のように回答しました。
「裏声はみんな持っていると思うのですが、これを歌声にして歌うのにはやはり訓練が必要。誰しも裏声は出るのですが、歌手として育てるためには、トレーニング・レッスンが必要なのです。具体的にいいますと、“口の中のスペースをより開かなければならない”などがあります」(藤木さん)
「からいものを食べたとしても食道を通るだけで声帯を傷つけるわけではない」とのことから、食べるものに気を使うことはあまりないのだとか。もちろん、食べすぎないなどの基本的な体調管理には気を配っているものの、「お酒やからいものをガマンすることはない」と説明しました。
ちなみに、藤木さんは幼いころからクラシックやオペラを聴いて育ったわけではなく、なかでも、中学生時代に好きだったのはチェッカーズだそう。J-POPをはじめとしたさまざまな音楽を聴いていたためか、9月にリリースされたアルバム『A cappella』には中島みゆき『時代』などが含まれています。





