電線に止まる鳥 ←なぜ感電しない?「電線への触れ方がポイント」「人間は確実に感電する」と大学教授 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

電線に止まる鳥 ←なぜ感電しない?「電線への触れ方がポイント」「人間は確実に感電する」と大学教授

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 スズメやカラスなど、鳥が電線に止まって鳴いている様子を目にしたことがある人は多いことでしょう。先日その光景を見かけ「なぜあの鳥たちは感電しないのか?」と疑問を抱いた筆者は、その理由を秀明大学学校教師学部の大山光晴教授に聞いてみました。

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 電線には家庭用に使われる100ボルトの電気が流れるものや、発電所から変電所へ6000ボルトの電気を運ぶものなどいくつか種類があります。100ボルトであっても体の中を電流が流れることは非常に危険ですが……。

「鳥は1本の電線にしか触れおらず、電流の通り道、いわゆる『回路』ができていないからです。回路がなければ流れることはありません」と大山教授は話します。鳥が両脚で1本の電線に止まっている場合、右左の足を置いている場所ではほとんど電圧が変わりません。これでは電流が流れる回路が形成されないのだとか。続けて「電気には少しでも抵抗の少ないところを流れようとする性質があります。鳥の体は抵抗が大きく、電気は体の中に入ることはなく通り過ぎます。そのため鳥は感電をしないのです」と回答しました。

 では、電線の鳥は100パーセント感電しないかというと、その答えは“NO”だそう。

「羽を広げたときに隣の電線に触れてしまったときや、右脚と左脚でちがう電線に触れたとき、一方の脚は電線でもう一方の脚が地面や地面と繋がった針金などに触れたときには感電を起こします。他の電線や地面が輪になって回路が形成され電圧の高低差が生まれると、鳥とて安全ではいられません」(大山教授)

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 大山教授によると、人間が電線に触れた場合はほとんど感電するそう。というのも、鳥と違って電線1本だけに触れることは不可能だからです。手や足は他の場所に接触するため、電流の回路が形成されてしまいます。切れた電線などにはくれぐれも近づかぬよう、注意が必要です。

(取材・文=堀田将生)

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