東北地方のような「なまはげ」が存在する? 花火がうるさ過ぎるって本当? スイスの独特な年越しとは

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 1年の締めくくりである「大晦日」。多くの国々で、特別なイベントや食事をすることで盛大にその年を祝い、新たな1年に備えます。今回注目した国スイスでも、独自の行事をおこなうようです。同国の情報を発信する「スイス・ワンダーネット」の担当者に詳しく話を聞きました。

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 担当者によると、スイスにおける年末の過ごし方は大まかに2通りあるとのこと。ひとつめが家で過ごす場合。家派の人々は年末の音楽特番やバラエティー番組を見ながらカウントダウンします。年越しの瞬間を迎えると、子ども達は室内でパーティー用のクラッカーを鳴らすのだとか。日本では大晦日と言えば定番なのは年越しそばですが、同国ではチーズフォンデュやラクレット、ミートフォンデュ(すき焼きのような料理)を食べるそう。

スイスでは大晦日にチーズフォンデュやラクレットなを食べることが多い(イメージ)

 2つ目は外出派。このタイプの人々は街中で「花火」を楽しむといいます。「スイスの大晦日は、とにかく花火が盛んです。多くの人が街に繰り出してパーティームードに包まれます。チューリッヒ湖・レマン湖・ライン川に浮かんだ船から花火が打ち上げられ、最後はシャンパンを片手に皆でカウントダウンをして新年を迎えます」と担当者は説明。近年では、個人でも大きな打ち上げ花火を購入できるようになったので、郊外の野原などで一晩中花火が鳴り響くなんていうことも。もちろん就寝中の人や動物を飼っている人にはいい迷惑のため、この時期の花火が嫌で、バカンスという名の“国内脱出”をする人もいるとか。

スイスの打ち上げ花火(イメージ)

 またスイス全土ではありませんが、東スイス・アッペンツェル地方の大晦日には、“大晦日の精霊”という行事も。正式名称は「ジルヴェスタークロイゼ」といい、ジルヴェスターは「大晦日」、クロイゼは「精霊」を意味するそうですが、どんなことをするのでしょうか?

「民族衣装に身を包み、仮面をかぶった『クロイゼ』たちが村を練り歩き、新年を祝います。また、その年の邪気を追い払うという意味もあります。仮面には美しい女性のタイプもあれば、恐ろしい形相のものも。東北地方の“なまはげ”に近いですね。小さな子どもは泣き出してしまいます」(担当者)

なまはげ的なものが出没する地域も(イメージ)

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 ちなみに、同国には日本のように正月休みを取るという習慣がありません。1月2日から仕事の人も多く、学校も普通に始まります。派手に楽しんだあとは切り替えて仕事や勉学に向き合う……メリハリのある姿勢は学ぶべきものがありますね!

(取材・文=つちだ四郎)

【取材協力】スイス・ワンダーネット
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