地震や台風、集中豪雨など災害が多い日本。いざというときのため、日頃からの備えが大切なのはもちろんですが、実際に街の人たちはどんな対策をしているのでしょうか? そこで今回は、「防災備蓄」をテーマに20代から60代までの男女43人にアンケートを実施。あわせて、備蓄向け商品の開発や啓発活動を進める企業の取り組みも取材しました。
◆街の声:備蓄「十分」は1人だけ
アンケートをみてみると、実際に「十分な備蓄がある」と答えたのは1人だけで、「十分ではない」と答えた人が62.8%(27人)、「必要は感じているが準備できていない」という人も34.9%(15人)という結果でした。

実際にどんな備蓄をしているかという質問では、定番の防災リュック、食料品、水などの備蓄と並んで、カセットコンロの準備や、飲料・お菓子のローリングストックを行っている人も多くみられました。中には「テント、燃料、バーナーなどを備えている(いかなごさん/60代男性・兵庫県)」といったキャンプ用品を活用する人や、「ハザードマップ、避難場所を家族で確認すること(50代男性・大阪府)」といった家族との情報共有などを挙げる人も。

◆課題は「場所」と「量」 ローリングストックの悩みも
備蓄のネックになっていることを聞いてみると、「場所がない、備蓄してても賞味期限がきれる(あやさん/30代女性・兵庫県)」「スペースがない、量が多いのでローリングストックが大変(50代男性・兵庫県)」というように、スペース不足の声が目立ちました。
次いで多かったのは、量の問題。「6人家族なんでどれくらい用意したらいいのか量がわからない(島野さん/40代女性・大阪府)」「家族3日分は多いので、1人2リットルくらいしか貯められていない(40代女性・大阪府)」と言った、適正量がわからないという人や、十分な量が準備できていないという声も。ちなみに、政府広報オンラインによると、水は一日一人当たり3リットルを最低3日分、できれば7日分備えることが推奨されています。さらに食品も1週間分、となれば、家族が多いと膨大な量ですね……。
それ以外にも「備蓄のものを保管する場所はどこが適正なのか(ちびちぃさん/40代女性・大阪府)」「ローリングストックを心がけていますが、同じものばかり買っています。栄養バランスなどあまり考えられていない気がします(のりこさん/30代女性・大阪府)」「重いし、非常食は値段が高い(40代女性・大阪府)」など、様々なお悩みの声が寄せられました。
◆企業の取り組み:気軽に始める“ちょ備蓄”提案
皆さん、いろいろと試行錯誤している様子がアンケートから見えてきました。一方で、より気軽に防災に取り組んでもらおうと、ちょっとした工夫や発想の転換のヒントを発信している企業もあります。
その1つ、サントリーは、「サントリー天然水」の防災備蓄啓発活動として、新たなプロジェクト“ちょ備蓄”を今年、発表しています。担当者は「備蓄は“全部揃えよう”と完璧を求めすぎると負担になる。ちょっと意識を変えるだけで、日常の行動が備えにつながるのでは」と話します。


