大きな地震が起きたら、どうすればいいのでしょう。頭を守る、低い姿勢を取るなど、わかってはいてもすぐに行動できる人はどのくらいいるのでしょうか。
子どもたち、とりわけ2歳から3歳くらいの子どもたちに地震が起こったらどうすればいいのかを、楽しみながら伝える防災絵本があります。
『どうぶつポーズであそボウサイ』(KADOKAWA刊)は、2025年1月に出版されると、全国の多くの幼稚園や保育園でも防災教育の「読み聞かせ」に活用されるなど人気を集め、即重版となりました。

著者の絵本作家・金澤麻由子(かなざわまゆこ)さんは神戸市出身。中学1年生の時に阪神・淡路大震災を経験しました。「当時、目の当たりにした光景や、日常が一瞬で変わってしまう恐怖は今も忘れることができません」と振り返ります。
「震災から時間が経ち、記憶の風化が懸念される中、被災経験がある絵本作家として未来の子どもたちにメッセージを残したい」との思いから誕生したのが、この『どうぶつポーズであそボウサイ』。金澤さん自身にとって4冊目の防災絵本となりました。
「従来の防災絵本だと正しさを伝えるあまり、文・絵ともに情報量が多く、シリアスで怖さを感じさせてしまうことがあり、幼稚園での読み聞かせ会などでは取り上げにくかったんです。そこで2・3歳の幼児向けに『シンプルでかわいい防災絵本』を、と考えました」(金澤さん)


本書では、『地震が起きたら?』『机がなかったら?』『外にいたら?』『電車に乗っていたら?』といった状況に応じ、動物に「変身」して6つの「命を守る行動」を遊びながら学びます。
防災訓練というと身構えてしまい泣き出してしまう子どももいるそうですが、「本書の読み聞かせや真似っこをした後は、怖がらず避難訓練に参加できます。避難訓練が怖くなくなる絵本です(小学校教諭)」、「読み聞かせをしてから、なりきり遊びなどに発展できるので、ごっこ遊びを通じて自然と防災教育ができるのでは(児童館職員)」などの声が出版社に寄せられています。

金澤さん自身も、「子どもたちに『怖いもの』として防災を教えるのではなく、『自分の身を守ること』を遊びの中で楽しく伝えたい。大好きな動物の真似っこ遊びなら、小さい子どもも自然と体が動きます。いざという時に身体が勝手に動く状態を、日常の遊びの中から作ってほしいという願いを込めて制作しました」と話します。




