第3章「《日本髪の娘》と第二部会」では、「日本髪の娘」を軸に、1930年代半ばの小磯を取り巻く美術状況を紹介。官展に対抗し、創作の自由を求めた第二部会の活動と、小磯の挑戦的な姿勢を読み解く。また、「日本髪の娘」の上田さんがモデルとなった「着物の女」(1936年、神戸市立小磯記念美術館蔵)など他作品も陳列。あわせて、上田さん自身がスケッチブックに描いた自画像をはじめとする絵も見ることができる。展示を担当した多田羅珠希学芸員は、「鉛筆とスケッチブックを手に、鏡の中の自らを見つめるまなざしには、画家としての自負と近代的女性としての自我が感じられる。『日本髪の娘』の和装のモダンガールは、ひとりの主体性ある人物としての(上田)種子の存在があってこそ描かれた」と指摘する。

展覧会に先立つ記者説明会には、韓国国立中央博物館の張恩晶・遺物管理部長も出席。張部長は「『日本髪の娘』は博物館が所蔵する40点ほどの日本西洋絵画の中でも特に重要な作品の1つ。小磯の故郷である神戸で展示され、神戸市民に会えるということを有意義に感じている。多くの人に感動してもらいたい」と述べた。岡泰正・神戸市立小磯記念美術館館長は「若き日の小磯の秀作というだけでなく、戦争に向かっていく中で芸術表現の自由を考えた時代、ターニングポイントとなった非常に重要な作品だ。モデルは生粋の神戸の令嬢で、小磯も神戸生粋のモダニズム画家。自分が描くとこういう和装表現になるということを示したかったのでは」と話した。
本展は神戸の後、福岡市美術館(4月18日~6月21日)に巡回する予定。
◆特別展「小磯良平展 幻の名作《日本髪の娘》」
会場 神戸市立小磯記念美術館(〒658-0032 神戸市東灘区向洋町中5-7)
会期 2026年1月10日(土)~3月22日(日)
開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜と2月24日(火) ※2月23日(月)は開館
入館料(税込) 一般1200円、大学生600円、高校生以下無料
問い合わせ 同館078-857-5880





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