兵庫県と宮城県の高校がコラボ開発 ふたつの被災地つないだ「災害備蓄食」 生徒が語る“学び”の現場

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 災害時における「食の備え」は、家庭はもちろん自治体にとって重要な課題の一つ。この解決策となりうる取り組みを兵庫県の高校生が行っているといいます。詳しく取材しました。

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 取り組みを実施しているのは、兵庫県立姫路商業高等学校の地域創生部。所属する生徒達は環境教育の出前授業や災害備蓄食の販売を通じた啓発運動など、「地域課題の解決」をテーマに活動しているのだとか。

 そんな彼らが開発したのが「ふわ姫パン」。2024年に「第11回商業高校フードグランプリ」にて文部科学大臣賞とプレゼンテーション優秀賞を受賞、さらに2025年は一般企業等も含む「FOODSHIFTセレクション」で最優秀賞を受賞したひと品です。プレゼンテーションの場では「誰一人取り残さない」という考えのもと、ろう者にも内容が伝わるよう手話を取り入れる工夫を行いました。

ふわ姫パン(提供:兵庫県立姫路商業高等学校 地域創生部)

 賞味期限は7年。長期保存が可能な缶入りで、興味深いのは宮城県農業高等学校とのコラボレーションした点です。兵庫・宮城と言えば、いずれも巨大災害を経験したエリア。このパンは、“ふたつの被災地をつなぐ”という意識のもと開発されたそうです。

FOODSHIFTセレクション 授賞式の様子 提供:兵庫県立姫路商業高等学校 地域創生部
FOODSHIFTセレクションでの授賞式(提供:兵庫県立姫路商業高等学校 地域創生部)

「災害について学びたいと思い入部しました。被災地での気づきや商品開発は地域創生部だから経験できること」(1年生部員:相馬優心さん)

「2026年の目標を漢字一文字で表すと進化の『進』です。今の活動を継続しながら、新しいステージにも前進したいという気持ちを込めました。もっと自分たちができる活動を増やしていきたいです」(1年生部員:西本良太郎さん)

「商業科目の商品開発と防災教育を結びつけられないか.....と考えたことが、災害食を作るきっかけになった」(顧問:北川欽一さん)

 と、部のメンバーはそれぞれの思いを述べました。

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 地域創生部の取り組みは、商品を販売することが目的ではありません。「防災を自分事として捉え、地域や社会とどう関わっていくか」を考え、学びを得るためにしていることなのです。彼らの試行錯誤は、次の世代が防災や地域課題と向き合う際の一つの手がかりとなりそうです。

(取材・文=洲崎春花)

※ラジオ関西「ヒメトピ558」2025年12月26日、2026年1月2日放送分より

(左から)パーソナリティの清元秀泰姫路市長 部員の西本良太郎さん 部員の相馬優心さん 顧問の北川欽一さん ナビゲーターの洲崎春花
(左から)パーソナリティの清元秀泰姫路市長、部員の西本良太郎さん・相馬優心さん、顧問の北川欽一さん、ナビゲーターの洲崎春花
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