京都・花園にある臨済宗妙心寺派大本山の妙心寺。同寺に伝わる至宝を通して禅の法脈と美の世界をたどる特別展「妙心寺 禅の継承」が大阪市立美術館(大阪市天王寺区)で開かれている。会場には国宝や重要文化財を含む寺宝が並び、大型屏風を配して特別な法要を行う大方丈の再現も。約3400の末寺を擁する最大規模の禅宗派寺院の歴史と精神文化を五感で読み解く、画期的な展覧会となっている。

妙心寺は、1335(建武2)年、花園法皇が離宮・花園御所を禅寺に改めることを発願したのが始まり。関山慧玄(かんざんえげん、1277~1360年)によって1337(建武4)年に創建された。当時、京都では幕府による官寺制度「五山十刹(ごさんじっさつ)」が隆盛を極めていたが、妙心寺は一線を画し、厳しい修行を重んじる「林下(りんか)」の代表的寺院として発展した。その後、第2世の授翁宗弼(じゅおうそうひつ=微妙大師、1296~1380年)をはじめとする高僧を輩出。室町・戦国期には大名の帰依を受けて多くの塔頭が建てられた。日本の禅宗を代表する寺院として現在に至っている。

展覧会の目玉は、妙心寺の年中行事の中でも特に重要とされる「開山忌」を再現した第1章。近年の研究で、江戸時代の開山忌では、大方丈に特別なしつらえがなされ、巨大屏風など寺宝中の寺宝が置かれていたことが明らかになった。本展でも、法要の空間を彩った大型の桃山屏風群を集めて大方状にしつらえ、金碧のきらびやかな当時の光景をつくりあげた。狩野山楽筆「龍虎図屏風」(重文・17世紀)や海北友松(かいほうゆうしょう)筆の「花卉図屏風」(同)など、桃山絵画の精華として名高い大型作品が並ぶ中、厳かな開山忌に身を置いているかのような感覚を味わえる。あわせて関山慧玄が師から授けられた「宗峰妙超墨蹟『関山』道号(しゅうほうみょうちょうぼくせき かんざん どうごう)」(国宝・1329年/前期展示)、十六羅漢図(重文・14世紀)なども公開。

もう1つの見どころは、同寺の塔頭・天球院(1631年創建)の襖絵だ。狩野山楽・山雪父子によって描かれた方丈の襖絵「竹林猛虎図襖」「梅花遊禽図襖」「朝顔図襖」(いずれも重文・1631年)は、金地に濃彩の豪華な作風で、桃山絵画ルーツの江戸初期を代表する名品。いずれも普段は非公開である。今回、塔頭内部と同じ形にレイアウトし、その魅力を存分に鑑賞できる空間をつくった。


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