右も左も重文の大型屏風 特別な法要を会場で再現 豪華襖絵の空間も 大阪市立美術館「妙心寺」展

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 妙心寺は、わずか2歳で夭逝した、豊臣秀吉の第1子・棄丸の葬儀が行われたことでも知られる。棄丸をしのんでつくられた「豊臣棄丸坐像」(重文・16世紀)の横には、幼児サイズの「小型武具」(同)が並び、愛児を失った秀吉の悲しみを想起させる。また、臨済宗中興の祖、白隠慧鶴(はくいんえかく・1685~1768年)による、ユニークで味わい深い書画や墨蹟も見逃せない。

 大阪府内の妙心寺派寺院で行われた最新の寺宝調査の成果も披露されている。本展開催にあたり調査を実施したところ、寺院の創建よりも古い仏像が複数発見された。白隠慧鶴の書画も多く見つかり、妙心寺の禅の教えが大阪で広まっていった状況が類推できる結果が得られたという。

重要文化財 「豊臣棄丸坐像」 桃山時代(16世紀) 隣華院
重要文化財 「小型武具 豊臣棄丸所用」 桃山時代(16世紀) 妙心寺  ※写真は前期展示

白隠慧鶴 「達磨像」 江戸時代(18世紀) 大分・萬壽寺  画像提供:花園大学国際禅学研究所 撮影:第一スタジオ 堀出恒夫 (後期展示)

 そのほか美術館1階中央ホールには、AR(拡張現実)を活用した体験コンテンツを用意。スマホで2次元バーコードを読み取ると、妙心寺法堂の天井に描かれた「雲龍図」(狩野探幽筆、重文・17世紀)の龍が実物大で現れる。同コンテンツ体験は無料。さらに1階カフェ「ENFUSE大阪」では、会期中、和スイーツ「金の襖(カカオとオレンジの錦玉羹)」(お茶付き・1300円)が登場。老舗和菓子店「京菓子司 金谷正廣」(京都市上京区)3代目・金谷亘さんが妙心寺の襖絵の金と墨をイメージしてつくったオリジナルメニューで、カカオと錦玉羹を斜めに流し分けることで、襖から漏れる光と影を表現したという。

和スイーツ「金の襖(カカオとオレンジの錦玉羹)」

 展覧会の開会式で、大阪市立美術館の内藤栄館長は「昭和11年の開館前、美術館はコレクションを1点も持っていなかった。常設展のために全国の寺社から借りた約600点の宝物のうち、妙心寺(塔頭含む)が寄託してくれた宝物は27点。うち4点が国宝だった」と明かし、「妙心寺は美術館にとって『恩人』。ご縁があって展覧会を開催でき、非常にうれしい」と話した。

 会期は4月5日(日)まで。

◆興祖微妙大師六百五十年遠諱記念特別展「妙心寺 禅の継承」
会場 大阪市立美術館(〒543-0063 大阪市天王寺区茶臼山町1-82[天王寺公園内])
会期 2026年2月7日(土)~4月5日(日) 前期は3月8日(日)まで。後期は3月10日(火)~4月5日(日)
休館日 月曜日(2月23日は開館)と2月24日(火)
開館時間 9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
観覧料(税込) 一般2000円、高大生1300円、小中生500円
問い合わせ 大阪市総合コールセンター なにわコール06-4301-7285
展覧会公式サイト https://art.nikkei.com/myoshin-ji/

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