阪神・淡路大震災発生から31年となった2026年1月17日、神戸市中央区の東遊園地で「阪神・淡路大震災1.17のつどい」が開かれた。


震災を経験していない若い世代がラジオ関西・震災特別番組に出演。つどいが開かれている東遊園地(神戸市中央区)に集まり、発生時刻の午前5時46分に黙祷。
自ら学び、それぞれが震災の記憶と教訓を次世代へと繋いでいる。それぞれが思いを語った。


インタビューに答えたのは、中村翼さん(1995.1.17生まれ 会社員 31歳)、繁本香菜さん(1996年生まれ 書道家 29歳)、関凛香さん(2003年生まれ 甲南大学3年 22歳)。

6432人の命が失われた日に神戸で『生』を受けた翼さん。幼いころからメディアの取材も多かった。当初は物心もついておらず、自分が生まれた日について特別な認識はなかったという。父親の仕事の関係で小学5年の時に岐阜県に移り、いつの間にか阪神・淡路大震災の話題に触れる機会が減った。しかし、中学3年・15歳という多感な時期に神戸に戻り、翼さんの心境が変化する。震災でどれだけの人が亡くなり、神戸・阪神間の街並みがどのように崩れていったのかを知る。「震災当時の神戸の街のようすを目にし、亡くなった方の人数を聞いたとき、自分が生まれたのはこういう状況だったんだな」と一気に受け止め、最も精神的にしんどかった時期だと振り返る。
そして大学時代。 自分が何か発信をしていきたいけど、どうしたらいいかわからないという葛藤をずっと抱えていた。でも、この気持ちのままでずっと過ごしていくのは嫌だった。神戸学院大学で防災について学んだことが今の人生につながっているのかなと感じるという。震災を経験していないからこそ、当時の恐怖や不安を知らない。それらを知るためには両親から話を聞くしかなかった。両親にボイスレコーダーを向けて、震災当時のことを初めてインタビューした。担当教授からの勧めだった。“点”でしか知らなかった事実が”線”になる。出産直前の母親を避難所まで誘導してくれた女性のこと、産気づき、救急車が手配できない中、父親が母親を車に乗せて病院に向かうものの、渋滞で進めず、機転を利かせて抜け道へ誘導してくれた警察官のことなど、多くの支えがあって、自分が生まれたのだと知る。


翼さんを題材とした絵本『ぼくのたんじょうび』が昨年(2025年)、震災30年を機に出版された。「何か形に残したいという思いはずっとあった。それが震災から30年経ってようやく、絵本という形になり、小学校低学年や保育園に通っている子どもたちにも伝わる“目で学べる震災”という機会が生まれた」と話す。そして、阪神・淡路大震災を忘れてはいけないという思いを胸に、助け合い、命の尊さなどを、震災を知らない子どもたちに伝えている。小学校低学年や保育園などに通っている子どもたちは、震災という言葉すら知らない世代。そこからのスタートになる」と語る。





