そして「地域の方々にじかに政策を訴える小選挙区制度は、(自身が所属していた参議院の)全国比例とは比べ物にならない。全国比例はいわば“空中戦”、小選挙区は地域の声を聞く“地上戦”。あくまでも選挙は主権者のもの。もっとも、“戦”の文字を使うのは候補者側の理屈だが」と指摘する。
解散から投開票まで16日、選挙運動期間が12日という戦後最短の総選挙。1月に入り、突然聞かされた解散表明。高市首相は昨年末まで、「考えられない、そんな余裕はない」と話していただけに、候補者の誰もが「準備期間の短さ」を口にしていた。しかし、青山氏は違った。「おかしいのは、日本の公示(告示)制度(※2)。日本の法制度にこれらがある以上、公示(告示)前は選挙活動をやっちゃいけない。
「例えばアメリカの大統領選挙って公示はないんだから。だから私は(公示前の選挙活動は)しない。立法府がそういうグレーゾーン作ってどうするのか。だから短期も長期もない。衆議院は12日間、参議院は17日間と決まっている。私にとっては全く気にならなかった」と振り返る。


青山氏は、参議院から衆議院へくら替えすることについて、基本スタンスは何も変わらないとしたが、「国会議員は“人のために死ねる”覚悟が必要であり、私利私欲を捨てるべきだと主張。自身の活動においても、献金を受けずパーティー券も売らないため、経済的には苦境にあるが、だからこそ『何のために議員をやっているのか』という目的が明確だ」と持論を展開。
選挙期間中は、町工場から商店街、広い園庭で遊ぶ幼稚園児や、都市農業「尼野菜」の現場をくまなく回った。さまざまな成功事例を「尼崎モデル」として、その価値を高く評価。さらに、名前を連呼して刷り込むような従来の選挙戦術を否定。コメンテーター、論客としての知名度が高いがゆえに、「誰の応援に来たのか」と有権者に勘違いされることも多かったが、あくまで政策や信念を優先する姿勢を強調した。

そして、レアアース(希土類)の国産化の必要性を主張。青山氏は「隠れた資源大国」の切り札として、日本の海洋資源レアアースの自給開発を強く訴えている。30年近く関わっているが、最初は多くの中傷を受けたという。しかし2027年2月から、南鳥島沖の深海(6000m)からレアアース泥を年間12〜13万トン汲み上げる量産化プロジェクトが始動する。高市首相は3月に開かれる予定の日米首脳会談でレアアースの共同開発を提案する意向。トランプ政権との連携を強め、経済安全保障の観点から中国依存からの脱却を目指している。かつて「無用の長物」と批判された探査船『ちきゅう』が活用される。
課題とされる「精錬技術」についても、元々は日本が持っていた技術を基盤に、国内での再構築に可能性を見出している。「この精錬技術は、尼崎も含めて町工場も含めて、30年前に日本が持っていた。政府が何もしないうちに20年経ってこの特許が切れて、その技術を中国が全部買ってしまった。レアアースは、その名の通り小指の爪先ぐらいしか取れない。もともと日本にはその技術があるんで、可能性を秘めている。必ずロボティックス(=海中ロボット)でできるようになる」と話し、日本の国産レアアース資源確保に向けた大きな一歩に期待を寄せる。
北朝鮮による拉致問題の解決に向けても強い姿勢を示した。自身の出身地・神戸市長田区の有本恵子さん(66・1983年失踪)と同じ幼稚園に通っていた青山氏は、家族との長年の交流を明かし、選挙区の尼崎市をはじめ、政府が正式に認定していない拉致被害者が全国に多数存在していることを指摘。衆議院議員としての影響力を活用し、政府認定被害者数の拡大に向けて高市首相に働きかけたいとも話した。


青山氏はラジオ関西を訪れるやいなや、正面玄関のロビーに飾られた多くの洋楽のレコードジャケットを見て自身の青春時代の思い出を振り返った。ラジオ関西の伝説のヒット番組「電話リクエスト」を愛聴していたこともあり、全盛期のレッド・ツェッペリンやブラック・サバスを語った。そして、 「9月1日になると必ず、ボビー・ダーリン楽団の『九月になれば』というインストゥルメンタルの曲が流れて、『夏休みが終わるなあ』と。雨が降ったら、カスケーズの『リズム・オブ・ザ・レイン(悲しき雨音)』を誰かが必ずリクエストしていた。“ラジ関の電リク”、思春期そのもの。私もリクエストしたけど、1回も曲がかかったことはなかった」とエピソードも披露。多感な時期の自分にとって、ラジオがいかに身近な存在だったかを語り、「今度出演する時は、国会報告を曲選びで表現しようかな」と洋楽通の一面ものぞかせた。


※1 中曽根康弘政権下の1986年、304議席(追加公認含む)がこれまでの過去最多議席数だった。
※2 国政選挙は、天皇が国事行為として公に示す「公示」、地方選挙は選挙管理委員会が告げて示す「告示」。






