読んだ本の履歴を“見える化”できる「読書通帳」 母子手帳とともに渡す自治体も 有識者が解説

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 タブレットやスマホでの読書が普及し、「紙で本を読む」という機会が少なくなった人も多いのではないでしょうか。そんな中「紙製の本を読む機会を増やしたい」という思いで誕生した新しい取り組み広がりを見せているといいます。詳しい話を株式会社内田洋行の担当者に話を聞きました。

 その取り組みとは「読書通帳」なるもの。公共図書館や学校図書館で借りた本のタイトルを、専用の通帳に印字記録できるというものです。記帳機は全国80以上、関西地区では約20の施設に設置されています。

読書通帳機(提供:内田洋行)
読書通帳機(提供:内田洋行)

 見た目は銀行の通帳とほぼ同じですが、それぞれの図書館に合わせたオリジナルデザインを施すこともできるとか。「地域の特色やシンボルをデザインに取り入れることで、子どもたちが“自分のまちの図書館”に親しみを持つきっかけにもなり、読書の記録を『思い出』として残せます」と担当者はサービスの意義について説明。

自治体ごとの読書通帳(提供:内田洋行)

 読書通帳が全国で最初に導入されたのは2010年、山口県の下関市立中央図書館でした。導入の経緯について担当者は次のように話します。「文化ホールや子育て支援センターなどを併設したコミュニティセンター建設にあたり、『施設の象徴となる取り組みをつくりたい』という要望を受けたのがきっかけ。当初は子どもたちに向けての仕掛けでした」。しかしながら、「大人も使いたい」「家族で利用したい」という声が次第に増え、年齢問わず活用できるサービスへと発展したとか。

 導入されている各自治体によって利用方法は様々です。たとえば山口県萩市では「生まれる前から読み聞かせを始め、誕生後は親子で図書館に通ってほしい」という思いから、母子手帳とともに読書通帳が手渡されているそうです。

ブックスタートの一環を担う「読書通帳」

 読書通帳のメリットを担当者に聞くと「読書履歴の見える化と達成感」「読書習慣の定着」「読書の偏りや好みの発見」「思い出・記録」「親子のコミュニケーション」の5つを挙げました。実際、友達と一緒に取り組んだ子どもの間では「次はどんな本を読む?」「こんな本があったよ!」といったコミュニケーションが生まれているのだとか。

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 読書履歴を物理的なカタチとして残せる読書通帳。本自体を楽しむだけでなく、自分が読んできたものを振り返ることも楽しみのひとつに。また、通帳記入という行動自体に興味を示す子どもも多いようで、「本を読む意欲」を高めることに一役買っているそうです。

(取材・文=濱田象太朗)

読書通帳は子どもたちの「読書意欲」をアップさせる?
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