ここは図鑑の中?世界の鳥400点が集結 大阪市立自然史博物館「鳥」 最新のゲノム解析研究を反映

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「一生分の鳥が見られる」かもしれない。大阪市立自然史博物館(大阪市東住吉区)で特別展「鳥―ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統―」がこのほど始まった。世界各地の鳥の標本400点以上を一堂に集め、最新のゲノム解析研究に基づく新しい鳥類の系統関係や進化の姿を紹介する、まるで鳥図鑑の中に紛れ込んだような大規模展覧会だ。

展示風景
まるで図鑑の中を歩いているような会場

 鳥類は約1万種が知られ、形態や生態は多様。本展は、遺伝子情報を解析するゲノム研究によって近年大きく見直された鳥類の系統分類を軸に、最新の研究内容を反映。鳥の体の仕組みや生態、進化の過程をくわしく解説している。

 会場には、世界各地の鳥の剥製や骨格標本など400点以上が並ぶ。かわいらしい姿でアイドル的な人気のシマエナガや大型の地上性鳥類ヒクイドリ、優雅な姿で知られるオウギバトなど、身近な鳥から珍しい種まで多彩な姿を観察できる。バードウォッチャーの世界では「400種以上観察すれば熟練者」といわれることから、本展は、そのキャッチコピーどおり「一生分の鳥が見られる」展覧会とも言えそうだ。

シマエナガ(国立科学博物館蔵)
フキナガシフウチョウ(国立科学博物館蔵)
ヒクイドリ(国立科学博物館蔵)
オウギバト(国立科学博物館蔵)

 展示は分類学上の「目(もく)」を基本単位に構成。▽鳥の目は従来の23から44に増えた▽「ハヤブサはタカよりもインコに近い仲間」といった、従来説を覆す系統関係が判明―など、ゲノム解析によって明らかになった新しい知見を紹介している。壁一面に示された「現生鳥類の系統樹」は圧巻で、すべての目の中でスズメ目が圧倒的に多いことが分かるグラフにも驚かされる。

 テーマ別の特集展示も。「絶滅」「翼」「猛禽」「ペンギン」「フウチョウ」の5つのテーマで鳥類の進化や生態を掘り下げている。「絶滅」では、日本で絶滅したキツツキの一種キタタキや、かつて各地で見られたトキの標本のほか、世界有数の猛禽類であるフィリピンワシ、沖縄北部の固有種ヤンバルクイナなど絶滅危惧種の標本も展示し、鳥類保全の重要性を伝えている。

ハヤブサ(国立科学博物館蔵)
キタタキ(姫路科学館蔵)
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