私が小さいときには、応援しているプロ野球球団が負けた次の日には、機嫌が悪い大人がたくさんいました。なぜかピリピリしているというか、イライラしているというか、怒りっぽいというか……。とにかく、機嫌が悪いんです。

幼心に、「あれ? なんか違う?」と感じた前の日には、だいたいその人が応援しているチームが負けていまして。親や近所のオッちゃん、なんやったら学校の先生まで機嫌が悪かったんです。
ひいきにしている球団の勝敗が、まるで自分のことのように一喜一憂して気分まで変化させてしまう。もちろん逆に、勝った次の日にはまちが明るく感じるほどでした。
それだけプロ野球が娯楽を飛び越えて、生活の一部になっていた時代だったんでしょうね。
だから、試合を中継しているテレビやラジオに向かって、「なんでいまの球打てへんねん! 悩みごとでもあるんか!?」「なんちゅうヌルい球! 俺が投げたほうがマシや!」とか、感情をぶつけていましたもんね。

しかし、時代とともに応援の仕方が変わったのか、もしくは人々の心がほかのスポーツや娯楽に向かっていったのか、プロ野球などの試合結果で機嫌が悪くなる人がいつの間にか少なくなっていきました。野球ファンの私は、それはそれで寂しく感じていたんです。
そんななか、先日開催されていたWBCでの侍ジャパンの試合で、感情をぶつけて自分の機嫌まで変わってしまうオッちゃんが復活していました。
まず、WBCがはじまる前から機嫌の悪い人がたくさんいました。
「なんで民放テレビで中継やれへんねん!」とぶちぶち言いはじめ、中継をラジオで聴きながら、「さすがメジャーリーガーや!」「めちゃくちゃお金もらってるだけあるわ!」「日本のプロ野球に戻ってきて助けてくれや!」「ここで1発打って! お茶立ててくれ(お茶立てポーズ)!」などなど。






