サッカーのThe KSLアストエンジ関西リーグは、4月11日に、2026年シーズンが開幕する。昨年の同リーグ1部で最終戦まで優勝争いを演じながら、得失点差わずか1で初優勝を逃したFC BASARA HYOGO(バサラ兵庫)にとっては、雪辱を期す舞台となる。
サッカー元日本代表の岡崎慎司氏(39)が理事を務めるバサラ兵庫は、兵庫県を拠点に活動する総合型地域スポーツクラブ。将来的なJリーグ入りを目指すトップチームは昨年、着実な成長を示した。
関西リーグはアルテリーヴォ和歌山に次いで2位に終わったものの、全国社会人選手権大会(全社)で準優勝し、日本フットボールリーグ(JFL)昇格が懸かる全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地決)に初出場。1次ラウンドで敗退したが、JFL入りに向けた確かな手応えを得た。また、兵庫県予選を勝ち抜き、天皇杯全日本選手権大会にも初めて出場した。名実ともに兵庫県屈指の社会人チームであることを示した1年でもあった。
チームを牽引するのは、Jリーグ経験も豊富なGK清水圭介選手(37)。神戸・滝川第二高校を卒業後、大分トリニータ、ニューウェーブ北九州(現:ギラヴァンツ北九州)、アビスパ福岡、京都サンガF.C.、セレッソ大阪でプレーした後、2025年、高校時代に縁のある神戸に帰還。昨年に続いてキャプテンを務める守護神は「チームとしては昨年の悔しさを忘れないようにしないといけない」と述べる。
さらに、「(関西リーグには)簡単にはいかない相手が今年はたくさんいるし、力の差がぎゅっと縮まっているように思うので、毎試合毎試合の得点や失点に対するこだわりというのは、昨年以上にやらないといけない」と気を引き締める。
そのうえで、「負けていてもなんとか引き分けに持ち込む。引き分けていた試合でもなんとか勝点3を取る。そういったことを昨年以上にチームとしてやらなければならない」と、リーグ初制覇、JFL参入に向けて前を向いた。
昨年チームに在籍していたMF中坂勇哉選手(元ヴィッセル神戸など)やMF丸岡満選手(元ドルトムント、セレッソ大阪など)が退団。オフに選手の半数近くが代わり、指揮官も交代した。
昨年12月にヘッドコーチから昇格する形で就任した木村暁監督(27)は、英・ウェールズの年代別代表分析官や、クラブチームのアシスタントコーチなどを務め、欧州サッカー連盟(UEFA)の指導者資格を保有する異色の経歴の持ち主だ。
木村監督は「日本とウェールズは文化とか歴史も違うので、全部が全部、向こうのものをこっちでやってみるということではないと思う。ウェールズのいいもの、例えば球際の強さや、切り替えの早さ、インテンシティー(強度)の高さみたいなところは取り入れたい」と抱負を語る。
「昨年の全社と地決にヘッドコーチという形でバサラ兵庫に関わらせていただき、通用する部分もあったと思うし、逆に改善しなきゃいけないところもあった。その中で、監督として改善、改良しながらリーグ戦に臨めれば」
そう語る気鋭の指導者は、「(バサラ兵庫には)『BE CHALLENGE』というのが一つのテーマとしてある。『どんどん挑戦していこう、恐れずにやっていこう』というところで、一人ひとりがミスを恐れずにアグレッシブに戦う姿勢をピッチ上で表現してもらいたい」と選手たちに奮起を促した。
清水選手によると、木村監督は戦術家なのだという。「特に若い選手はここまで戦術的な指導を受けたことはあまりないと思う。いろいろなこだわりがあって、僕自身も新たな成長ができる部分がある。プロの生活を思い返す中でも、頭の整理とか、頭の回転の早さとかをもっとやらないといけないし、やっているサッカー自体が僕の好きなサッカー。本当に緻密にトレーニングの中に落とし込んでもらい、楽しくサッカーができている」と期待を寄せる。
「兵庫県にはヴィッセル神戸というJ1のチームもある。僕たちは関西リーグという下のカテゴリーだが、仕事をしながら頑張っている。熱い姿を見てもらうことで、勇気や元気を与えられれば。みんな必死に戦っているので、ぜひスタジアムに来てほしい」と、清水選手。
木村監督は「昨年は、応援していただいた方々にとっては、悔しいシーズンにしてしまったというところがある。今年は何とかしてでも優勝し、バサラ兵庫が躍動する姿を見せられれば。試合を見に来ていただけたらうれしいし、YouTubeとかでも配信されると思うので、そういった形でも応援していただけたら」と呼びかけた。
昨年からのステップアップを狙って、どんなサッカーを披露するのか注目される、バサラ兵庫。リーグ戦の初陣では、滋賀の守山侍2000とホームの兵庫県立三木総合防災公園陸上競技場で対戦する。4月12日午後2時キックオフ予定。
(取材・文=北川信行)




