連続テレビ小説「ばけばけ」モデルを深掘り! 大阪歴史博物館「小泉八雲」展 4月11日から開幕

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 このほど最終回を迎えたNHK連続テレビ小説「ばけばけ」のモデル、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の世界を紹介する特別展「小泉八雲―怪談とフォークロリストのまなざし―」が大阪歴史博物館(大阪市中央区)で4月11日(土)から開幕する。代表作「怪談」などで知られる八雲の文学と民俗研究の両面に光を当て、日本文化を見つめた異邦人の視点を約150件の資料から読み解く。6月8日(月)まで。

大阪歴史博物館(大阪市中央区)

 ハーンは1850年、ギリシャ西部レフカダ島に生まれた。米国で新聞記者として活動した後、1890(明治23)年に来日、松江や熊本、神戸などで暮らしながら日本文化に深い関心を寄せた。1896年に帰化して小泉八雲と名乗り、妻セツの語る伝承や怪異譚をもとに再話文学(神話や伝説などを書き直し、独自に再構成した文学)を数多く執筆した。代表作「怪談」に見られる幻想的な物語は、日本人の自然観や信仰を鋭くとらえた作品として現在も国内外で読み継がれている。

神戸時代の小泉八雲 大阪歴史博物館保管 

 展覧会は八雲の生涯と思想を4つの章でたどる。第1章「異界の旅人」では、ギリシャに生まれ米国やカリブ海地域を渡り歩いた青年期に焦点を当てる。クレオール文化圏のことわざを収集した著作「ゴンボ・ゼーブ」(1885年)などを通じ、すでに民俗文化への強い関心を抱いていた姿を紹介する。幼少期の神秘体験を記した草稿「私の守護天使」(明治時代)には顔のない女性の幻視体験がつづられており、後の怪談文学につながるきっかけになったと考えられている。

 第2章「神々の国へ」では、日本に魅了された八雲の視線を追う。松江赴任直後に訪れた出雲の資料として、江戸時代の「出雲国大社図」(江戸時代)を展示。八雲が西洋人として初めて昇殿を許されたという出雲大社の姿を伝える貴重な境内図だ。また、日本印象記の代表作「知られぬ日本の面影」も紹介され、松江や出雲で見聞した民間信仰や風習がどのように文学へ昇華されたかが分かる。

『怪談』明治37年(1904) 松江市立中央図書館蔵

 第3章「幻想の筆記者」は、晩年の代表作「怪談」の世界を中心に展開。盲目の琵琶法師が平家の亡霊に招かれる「耳なし芳一の話」や、顔のない化け物に遭遇する「貉(むじな)」など、現在も広く知られる怪談が生まれた背景を紹介する。「耳なし芳一」草稿や再話文学の原典となった古典資料などを展示し、八雲が民俗伝承を文学として再構成する過程を明らかにする。没後30年を記念して刊行された「小泉八雲秘稿画本 妖魔詩話」では、雪女や船幽霊などの妖怪像が独特のイメージで描かれており、洋風の表現が混じる幻想的な世界観も見どころとなる。

『小泉八雲秘稿画本妖魔詩話』雪女(部分) 昭和9年(1934)島根県立古代出雲歴史博物館蔵(展示期間:4月11日~5月11日)

 終章では、八雲の思想とその後の影響に焦点を当てる。民俗学的な視点から日本文化を考察した八雲の思想が紹介されるほか、三男で画家の小泉清が描いた肖像画、左目を失明していた八雲が写真では隠し続けた左横顔の肖像なども公開される。

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