60年ローン利用も? 「実家に住まない」相談増加 神戸・須磨の不動産事情、地元業者が明かす

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 神戸市須磨区の不動産業者に、地域の不動産の実情、賃貸や建売住宅のトレンドなどを聞いた。

 須磨区で不動産業を営むアイハラ不動産。代表の相原雅人さんは、コロナ禍の影響を振り返り、「大変な時期ではあったが、飲食業などに比べると、不動産業は比較的ダメージが少なかった」と語る。一時的な混乱はあったものの、賃貸・売買ともに事業は大きく落ち込むことなく、現在に至っているという。

 不動産業界にとって春は最大の繁忙期だ。就職や卒業、転勤などに伴う住み替えが集中し、特に賃貸市場は一年で最も動く時期となる。

 一方で、神戸の大学を卒業した学生が地元に残らず、他地域へ就職するケースは年々増えている傾向にあると、相原さんは話す。

 学生向け賃貸物件の設備も大きく変化。オートロックは当たり前となり、風呂・トイレ・キッチンが分かれた間取りや、インターネット無料といった設備を備えた物件が主流になりつつある。

株式会社アイハラ不動産(神戸市須磨区)、代表取締役の相原雅人さん
株式会社アイハラ不動産(神戸市須磨区)代表取締役の相原雅人さん

 売買市場では、土地や建物の価格上昇が顕著に。「5年前、10年前に比べると、住宅購入時の負担はかなり大きくなっている」と、相原さん。

 その影響もあってか、近年は35年ローンに加え、60年ローンといった超長期住宅ローンを利用して新築戸建てやマンションを購入する若い世代も増えているそう。相原さんは「無理は心配」とおもんぱかるも、「家を持つことには夢があり、人生設計や子育てなど、それぞれの目的がある。その思いはできる限り応援したい」と、業者の立場からサポートする。

 同社の営業エリアはJRの「須磨」駅~「須磨海浜公園」駅、山陽電車の「山陽須磨」駅~「月見山」駅が中心。最近では須磨海浜エリアの人気が高まり、価格にも割高感が出てきていると明かす。

 ただし、相続をきっかけに売却された大きな住宅が、ハウスメーカーによって建売住宅として高額で販売されるケースも目立つ。

 少子高齢化の影響で、「相続した実家に住まない」という相談も増加。相続人が東京や地方都市に住んでいるケースも多く、対面だけでなく、メールやSNS、LINEなどを使った相談が主流になりつつある。

 ちなみに相原さんは、不動産業のかたわら、須磨地域の商店街理事長としても活動。駅前での餅つき大会や、毎年5月に行われる地引網体験、年末のクリスマス装飾など、地域イベントを通じて街のにぎわいづくりに力を注いできた。「海も山もある須磨の魅力を、地域の皆さんと一緒に盛り上げていきたい」。不動産と地域活動、その両面から須磨の未来を支える覚悟だ。

株式会社アイハラ不動産(神戸市須磨区)、代表取締役の相原雅人さん(写真右)、ラジオ関西パーソナリティの三上公也氏
株式会社アイハラ不動産(神戸市須磨区)代表取締役の相原雅人さん(写真右)、ラジオ関西パーソナリティーの三上公也氏

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