芥川賞作家の松永K三蔵(以下、松永)が、ラジオ関西の番組『Clip』にてピンチヒッターとしてパーソナリティーを担当。ドラァグクイーンのサマンサ・アナンサとともに、2時間45分にわたる生放送を進行しました。

普段は阪田マリンが昭和を紹介しているコーナーでは、松永なりの解説とともに昭和に活躍した小説家と作品を紹介しました。
最初に紹介したのは、山田詠美『ベッドタイムアイズ』。同氏は、昨年も新作を発表するなど現役で活躍しているほか、芥川賞の選考委員を務めています。松永によると、芥川賞選考の選評が非常におもしろいそうです。
デビュー作である『ベッドタイムアイズ』はセンセーショナルな作品で、米軍基地を脱走したアメリカ兵と2人の女性の三角関係を描いており、松永は「性愛の描写や熱っぽさは、山田詠美ならでは」と語りました。
サマンサは、タイトルを直訳すると「寝る時間帯の目」となるところに着目し、「このタイトルだけでもね……」と食いついていました。この作品は、後に、樋口可南子主演で映画化されていることでも知られます。
次に紹介したのは、村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』。昭和の時代にニュースとなった「コインロッカー乳児遺棄事件」を題材にしており、「村上龍の名作中の名作」と紹介しました。同氏も現役で活躍中で、テレビ番組でのホスト役などでも知られています。
松永いわく、「この衝撃的な作品は決して古さを感じさせず、若い人にも読みごたえのある作品」とのこと。
物語は、コインロッカーに遺棄された2人の赤ちゃんを軸に進みます。やがて、1人が実の母親を探しに東京に出ていくと、それを追うようにもう1人も上京。美少女との出会いなどがありながら物語は進行していきます。
「昭和のバブル時代の消費社会のなかで2人が格闘していき、社会に対する爆発的な恨みや衝動、そしてそのエネルギーがすごい」と、松永。同氏のデビュー作『限りなく透明に近いブルー』と同様に、「昭和のエネルギッシュな力を強く感じさせる作品のひとつ」と紹介しました。

同作は、純文学の新人三賞のひとつとされる「野間文芸新人賞」受賞作品。なかでも、「この作品は新人賞離れしてるとんでもない作品」だといいます(純文学の新人三賞は、「芥川賞」「三島由紀夫賞」「野間文芸新人賞」)。





