近年、全国的に広がりを見せているクラフトビール文化。小規模な醸造所が地域ごとに個性あるビールを生み出し、食や観光と結びついた新たな魅力として注目されています。姫路市内でも近年クラフトビールの醸造所が誕生し、地元の食材を取り入れたビールづくりなど、地域ならではの取り組みが始まっています。
その一つが、2022年に誕生したクラフトビール醸造所「イーグレブルワリー」です。 JRの英賀保駅から徒歩6分の場所に工場を構え、醸造所に併設したタップルームでは出来立てのビールを味わうことができます。
この醸造所でビールづくりを担うブルワーの一人が竹本忠弘さんです。もともとは大阪で別の仕事をしていましたが、クラフトビール好きが高じてイーグレブルワリーが出店するイベントに通うようになり、やがてボランティアスタッフとして関わるようになりました。事業拡大のタイミングで声がかかったことをきっかけに、2025年から姫路に移住し、正式にスタッフとして働いています。
ブルワーの仕事は、ビールを仕込むだけではありません。仕込みから発酵、熟成、品質管理まで約1か月ほどかけてビールの状態を見守りながら調整を重ねる繊細な作業が続きます。さらに商品の発送対応や、週末にはタップルームでの接客など、製造から販売まで幅広い業務を担っています。 姫路といえば日本酒のイメージが強い地域ですが、竹本さんは「クラフトビールも食事と一緒に楽しめるお酒」と話します。
地域の食材を取り入れたビールづくりにも挑戦しています。例えば、播磨灘で水揚げされる室津産のカキを使った「オイスタースタウト」では、仕込みの工程で実際にカキを釜に入れて煮沸し、海の風味や旨味をほんのりと加えています。また、日本酒酵母を使って醸造したビール「ムギノネ」など、日本酒文化が根付く地域ならではの試みにも取り組んでいます。


近年、クラフトビールは地域の新たな食文化として注目されつつあります。竹本さんは「最初に飲んだ一杯の感動のような体験を、自分のビールでも届けられるようになりたい」と話します。地域の食材や文化と結びつきながら、クラフトビールづくりの動きも見られるようになっています。
(取材・文=洲崎春花)
※ラジオ関西「ヒメトピ558」2026年4月17日、24日放送分より




