日本でも根強い人気を誇る北欧デザイン。このうち自然や植物をモチーフとしたデザインが特徴のスウェーデンのテキスタイルを紹介する展覧会が、西宮市大谷記念美術館で開かれている。2026年6月28日(日)まで。

「北欧デザインというと、テキスタイルではマリメッコがあるフィンランド。イスや家具はデンマーク。ではスウェーデンはというと・・・テキスタイルの歴史は古いんです。とはいえこれまで日本ではほとんど取り上げられることはなかった。今回、初めてのスウェーデンのテキスタイル展です」と同館の下村朝香学芸員は話す。

展示室に足を踏み入れると、植物や動物、幾何学模様などのテキスタイルが並んでおり、一気に北欧の雰囲気に包まれる。カラフルなものからシンプルなものまで幅広く、大胆な柄や色合わせも特徴だ。そしてそれぞれにデザイナーがいて、多くは女性だ。「テキスタイルデザインがスウェーデンに根付くのに貢献したのは女性です。もともと家庭で織物とか刺繍とか布で何かをするという伝統から生まれています。その中でテキスタイルデザインにとどまらず、いかに世間に出していくかという考えから、事業にしていった。北欧は男女平等が早くから根付いたところでもあるので、(早くから女性が)活躍の場を広げていったのではないか」と下村学芸員。


テキスタイルの中には物語や聖書の一場面を描いたものもあり、子供部屋に飾るなどして教育にも一役買っていたことがうかがえる。下村学芸員は「スウェーデンのテキスタイルは、日本人が思う以上にいろいろな用途で使われていた。それだけ生活の中に入り込んでいたのだと思います」と分析する。
![ふしぎな旅』のモルテン] ウッラ・エーソン・ボディーン 1979年 サラ・アクステイリウス氏蔵](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2026/04/08-1024x701.jpg)
「冬のスウェーデンは、日中でも暗く青空がない。いい時期の北欧は、空気が澄み渡りカラフル。暗く長い冬を過ごした後、明るい春夏が来るのをとても楽しみにしているんだと思う。あこがれでもある自然をテキスタイルに落とし込んで、暗い冬に華やかなものを愛でるのが、北欧の人たちのライフスタイルであり楽しみなのだと思います」と下村学芸員。そして「スウェーデンには、北欧を代表するようなテキスタイルがこんなにあるんですよ、ということを知っていただく機会にしてください」。





