朝日新聞阪神支局襲撃事件39年「SNS、かつて考えられなかった集団的、攻撃的非難が」小尻記者悼む

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 朝日新聞阪神支局(兵庫県西宮市)が襲撃され、記者2人が死傷した事件から39年を迎えた5月3日夜、犠牲になった小尻知博記者(当時29歳)をしのぶ会が同支局で開かれ、朝日新聞社幹部ら関係者約40人が哀悼の意を捧げた。

朝日新聞阪神支局で開かれた「しのぶ会」で、事件の発生時刻に黙禱(もくとう)する朝日新聞の社員ら〈2026年5月3日午後8時15分 兵庫県西宮市 ※代表撮影〉

 事件発生時刻の午後8時15分に合わせ て全員で黙祷を捧げた後、当時阪神支局で事件を目撃した高山顕治・ブランド企画部主査(64)が、「事件が解決しなさそうなまま定年を迎えるのは無念で、悔しい思いがあります。先日、新人記者に話す機会があり、真剣に話を聞いてくれました。彼、彼女らがずっと語り継いでくれるのではないかと思っています」と述べた。

 また、龍沢正之・大阪本社編集局長(56)が、「いまも安倍晋三・元首相襲撃事件のような暴力やテロリズムはなくなっていません。さらに身体的暴力だけでなく、SNSの世界では大勢の匿名の誰かから一方的な非難の言葉を投げつけられたり、扇動されたりと、かつては考えられなかったような集団的、攻撃的な言葉がつむがれています。言論の自由を守るために、こうした状況が悪化しないよう私たちは食い止める努力を続けなければならないと、ここであらためて確認したいと思います」と訴えた。

朝日新聞阪神支局襲撃事件で犠牲になった小尻知博記者の遺影〈2026年5月3日 午後7時52分 兵庫県西宮市〉※代表撮影
「しのぶ会」であいさつする朝日新聞大阪本社 龍沢正之・編集局長(中央)〈2026年5月3日 午後8時19分 兵庫県西宮市〉※代表撮影

 阪神支局の拝礼所にはこの日、市民ら約350人が訪れ、小尻記者の遺影に手を合わせた。同支局3階の襲撃事件資料室には約210人が訪れた。

朝日新聞阪神支局で開かれた「しのぶ会」で、事件の発生時刻に黙禱する朝日新聞社員ら〈2026年5月3日 午後8時15分 兵庫県西宮市〉※代表撮影

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 事件は1987(昭和62)年5月3日午後8時15分に発生。朝日新聞阪神支局に目出し帽姿の男が押し入って散弾銃を発砲し、小尻記者が死亡、同僚の犬飼兵衛氏(2018年死去)が重傷を負った。

小尻知博記者 遺影
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