昭和歌謡、昭和ポップスにスポットライトを当てたラジオ番組『中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス』(ラジオ関西)の5月8日放送回では、歌手・島倉千代子さんを特集。Netflixドラマ『地獄に堕ちるわよ』をきっかけに再び注目を集めるなか、代表曲を交えながら、その波乱に満ちた音楽人生を振り返った。
番組パーソナリティーを務めるのは、中将タカノリさん(シンガーソングライター、音楽評論家)と、橋本菜津美さん(シンガーソングライター、インフルエンサー)。
まず、脚光を浴びるドラマについて、「細木和子さんと島倉さんの間にあった史実のストーリーに驚くとともに、島倉さんを演じた三浦透子さんの熱演が良かった」と、中将さん。一方、橋本さんは「島倉さんについて具体的にどんな人生を歩まれたのか、詳しくは知らなかった。『ズバリ言うわよ!』(TBS系)を観ていた世代なので、細木さんとの関わりにも驚いた」と、感想をコメントした。
島倉さんは1938年、東京都生まれ。幼い頃から歌に親しみ、1949年3月には童謡『お山のお猿』でテイチクレコードからデビューした。この際、誤植により「戸倉千代子」名義になっていたという。日本音楽高等学校(現・品川学藝高等学校)に進学し、1954年にコロムビア全国歌謡コンクールで優勝。翌1955年、16歳で島倉千代子として再デビューを果たした。
番組で最初に紹介されたのは、再デビュー曲『この世の花』(1955年)。北條誠さんの同名小説を原作とした映画の主題歌として制作された。
中将さんによると、当初はコロムビア・ローズさんが歌唱予定だったが、都合が合わず島倉さんが担当することになったという。楽曲は大ヒットを記録し、1955年度の日本コロムビアの歌謡曲レコード売上年間2位となった。橋本さんは「16歳とは思えないほど堂々とした歌声」と感想を語った。
続いては、『東京だョおっ母さん』(1957年)。美空ひばりさんに憧れていた島倉さんの「ひばりさんの『波止場だよ、お父つぁん』(1956年)みたいな曲を歌いたい」という希望をもとに制作された楽曲で、大ヒットを記録。この曲でNHK紅白歌合戦に初出場を果たした。番組では、この頃から美空さんと並ぶ歌謡界の歌姫として存在感を高めていったことも紹介された。
3曲目は、『愛のさざなみ』(1968年)。デビュー15周年記念曲として制作された楽曲だ。
当時の島倉さんについて、中将さんは「元阪神の選手との離婚直後で、元夫の事業失敗の借金を肩代わりし、しかもしばらくヒットから遠ざかっているという状況だった」と解説する。
その中で、起死回生を図るべく、作曲家・浜口庫之助さんの提案により、これまでのイメージを一新するような楽曲制作に取り組む。
エルヴィス・プレスリーやフランク・シナトラのレコーディングにも参加したハル・ブレインら「レッキング・クルー」と呼ばれるロサンゼルスのスタジオミュージシャンを起用。洗練されたポップスに仕上げると、同曲はオリコン・ウイークリーランキングで2週連続20位を記録し、第10回日本レコード大賞特別賞を受賞した。






