見るほどに味わい深い“茶色の奇跡” 幻の技法「焼絵」を特集した初めての展覧会 中之島香雪美術館

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北鼎如連「文読遊女図」江戸時代(19世紀)村上コレクション

 本展では、日本だけでなく東アジアにおける焼絵文化の広がりもひもとく。朝鮮では「烙画」と呼ばれ、16世紀後半に始まったとされる。19世紀以降には朴氏一族を中心に技が継承され、山水や花鳥に漢詩を添えた教養性の高い作品が生み出された。朝鮮通信使を通じた技術伝播など、焼絵は国際文化交流の一端を担っていたこともうかがえる。

「朝鮮の烙画」展示風景

 近代以降、欧米から電気式の焼絵器具が導入されると、焼絵は装飾工芸として新たな展開をみせる。現在では「パイログラフィー」や「ウッドバーニング」として世界に広がり、多様な素材・表現へと進化している。本展では現代作家の辻野榮一、猫野ぺすかの作品も紹介。伝統技法を受け継ぎながら、現代的な感性で再解釈された焼絵の可能性を提示する。

「おおかみとしちひきのこやぎ」絵本原画 猫野ぺすか(絵)、末吉暁子(文)・フレーベル館 平成30年(2018)、同年刊 作家蔵

 郷司学芸員は「焼絵の魅力は色の濃淡やエンボスで立体感、奥行きを出せる点。展覧会では作品を手前の方に置き、ライティングも工夫しているので、ぜひじっくりと近くで見て、滋味あふれる世界を楽しんでほしい」と話した。会期は5月31日(日)まで。

◆企画展「『焼絵 茶色の珍事』Pyrography:Brown Strange Things」
会場 中之島香雪美術館(〒530-0005 大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト4階)
会期 2026年4月28日(火)~5月31日(日)
休館日 月曜日と5月7日
開館時間 10:00~17:00 ※入場は閉館の30分前まで
入館料(税込) 一般1600円、高大生800円、小中生400円
問い合わせ 同美術館 06-6210-3766

中之島香雪美術館 公式HP

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