「神戸海軍操練所」の破風を初公開 神戸市立博物館 特別展「神戸百華」 重文の「ザビエル像」も展示

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 わが国有数の港町として古来、多彩な文化が花開いてきた神戸。100件の収蔵品でその魅力をひもとく特別展「神戸百華―コレクションが開く神戸の魅力」が神戸市立博物館(神戸市中央区)で開かれている。知っているようで知らない、神戸の歴史や文化、人々の営みについて、新たな視点でたどる試みだ。会期は6月14日(日)まで。

神戸市立博物館(神戸市中央区)

 展示は、全6章で構成。最大の目玉は、初公開の「神戸海軍操練所」の破風(はふ=切妻屋根の側面につく装飾)」だ。第Ⅰ章「神戸と海と…!」の冒頭、迫力ある姿で来場者を迎える。坂本龍馬も学んだことで知られる神戸海軍操練所は、幕末の1864年、江戸幕府が設置した海軍教育機関で、破風は操練所建物の屋根を飾っていたと考えられる。操練所はわずか1年ほどで閉鎖、現存資料はきわめて少ないだけに、幕末神戸の激動を今に伝えるものとして非常に貴重な遺物。破風の形状に合わせた専用の透明ケース内に展示されており、装飾や木組を間近で観察できる。

神戸海軍操練所破風 文久3年~元治2年(1863-65)頃 神戸市立博物館蔵

 第Ⅱ章「神戸と人々/人々の神戸」では、古代から現代まで、当地に関わった人物たちを通して神戸の来し方を振り返る。大河ドラマで注目される豊臣秀吉や織田信長、神戸を愛して遷都を試みた平清盛など歴史的人物にまつわる品々のほか、神戸市立博物館コレクションの礎を築いた池長孟(1891~1955年)や、かつて日本有数の総合商社であった鈴木商店の関連品などが登場。第Ⅲ章「神戸の伝説・伝承」では、源氏物語や松風・村雨伝説など、神戸を舞台とした物語世界に焦点を当てる。月岡芳年の「中納言行平朝臣左遷須磨浦逢村雨松風二蜑戯図」(1886[明治19]年ごろ)は、須磨で謹慎生活を送っていた在原行平と海女の姉妹を描いた美しい浮世絵で、近代都市の印象が強い神戸にも、古典文学や伝承の舞台としての側面があることを教えてくれる。

狩野吉信「源平合戦図屏風(一の谷合戦図)」江戸時代、17世紀 神戸市立博物館蔵
合名会社鈴木商店の法被 明治35年~大正12年(1902~23)太陽鉱工株式会社蔵・神戸市立博物館保管

 さらに第Ⅳ章「神戸ブランド」では、洋菓子、洋食、ファッション、日本酒、造船、鉄鋼など、私たちがイメージする“神戸らしさ”がいかに形作られてきたかを掘り下げる。現在も神戸元町商店街(中央区)にある「柴田音吉洋服店(当時は柴田音吉商店)」のフロック・コートや「放香堂」の引き札は、明治時代までさかのぼるものだ。「日本燐寸製造株式会社ポスター」(1907~1927[明治40~昭和2]年)は、愛らしい表情のゾウがマッチを鼻で巻いて持つユニークな絵柄。輸出産業として成長した神戸の国際性を感じさせるばかりでなく、現代でも通用する、分かりやすくあか抜けた意匠であることに驚かされる。

日本燐寸製造株式会社ポスター 明治40年~昭和2年(1907-27)神戸市立博物館蔵

 第Ⅴ章「神戸の磁力/引き寄せ・集う」は、六甲山、北野異人館街、南京町、有馬温泉など、人々をひきつけてきた神戸の交流文化を特集。神戸が観光地として国内外にアピールしてきた様子が分かる明治~昭和にかけての名所図や写真帳、リーフレット、絵葉書、鳥観図などのほか、神戸に住んだ外国人家族のアルバムも展示している。

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