神戸のウォーターフロントに建つホテルオークラ神戸。そのロビー階に、ひっそりとたたずむ「ミュージアム」がある。イタリアのガラス細工職人・ブルーノ・アマディの作品を展示する「アマディ プレミュージアム」。アマディによって生命を与えられたガラス作品の小宇宙が広がる。ミュージアムを訪ねた。

作品を目にした人からは思わず感嘆の声が上がる。ガラス自体の美しさ、作品が放つ輝き、そしてその緻密な技……中には「本物?」と思わずにはいられないものもある。

「ここにあるのは、私のコレクションの一部です」。そう話すのは一般社団法人アマディミュージアムの村田啓二さん。輸入家具や雑貨を扱う店を営んでいた村田さんは、40年ほど前にイタリア・ヴェネツィアで、「たまたま」ブルーノ・アマディの作品に出会い、日本での唯一の代理店を務めてきた。阪神・淡路大震災を機に代理店業には区切りをつけたが、自身のアマディ作品の収集は続いている。

魅力は何といっても本物と見間違うほどのリアルさと繊細な技術。例えば「アリ」。5ミリというその大きさにも驚くが、6本の脚があり、自立している。

アマディは、ヴェネツィアンガラスの棒をバーナーの炎で溶かし、ピンセットとコテで形を作っていく。それがアリの脚や昆虫の触角のような超極細の部分でも、工程は同じ。ピンセットで溶けたガラスを細く伸ばしていく。1つの作品を完成させるのにかかる時間は10分ほど。長い時間をかけるとガラスが冷めてしまい、そこにまた急に熱を加えると割れてしまうのだという。作品を作るのに、何か資料を見ながら、ということはなく、彼の頭の中で固められたイメージを再現していく。






