1991年の開館から今年(2026年)で35年となる芦屋市立美術博物館。これまでに収蔵した美術作品は約1500点にのぼる。元号が令和になって収蔵した作品と、開館当初に収蔵した作品を合わせて展示し、時の流れを感じてもらう企画展「コレクションの樹、36年目の春-新収蔵品を中心に」が、芦屋市立美術博物館で開かれている。2026年6月28日(日)まで。

芦屋市立美術博物館は、芦屋市制50周年記念事業として1991年に開館。その準備室が発足した1989年から作品の収集がスタートした。「収集に当たっては3つの柱があります。『小出楢重をはじめとする近代の洋画家』、『1930年代に新興写真運動を展開した芦屋カメラクラブ』、そして『戦後の前衛美術家集団・具体美術協会』で、これらを中心に芦屋にゆかりのある作家の作品をコレクションしています」と同館の大槻晃実学芸員は話す。

この35年間に同館自体も歴史を紡いできた。1995年の阪神・淡路大震災では、芦屋市も大きな被害を受け厳しい財政状況となり、同館への支出も減額され、「97年以降、作品を購入してコレクションするという動きはなくなりました」(大槻学芸員)。年表を見ると、その時々の同館をめぐる動きと、収蔵された作品がわかる。準備室発足当初は、設立された基金によって作品の購入が行われていたが、2000年以降は、作家自身やその遺族、関係者からの寄贈によってコレクションが拡充されている。近年は植松奎二や山村幸則など現代作家の作品も収蔵されている。


「その道のりは、1本の樹が幹を伸ばし枝葉を巡らせていくような成長の過程でもあります。芦屋は古くから白砂青松とうたわれた風光明媚な場所。そこに根を張る樹がこれからも人々の交流の場所となるよう、コレクションを守り、未来へつないでいかなければいけません」と大槻さん。

今展では、近年収集された作品と、開館当時のコレクションを並べて展示する。その間の時間の流れを感じてもらうとともに、「美術館に作品が収蔵されるまでには、それを大切に思う人々の手を渡る。収蔵された後も、永く鑑賞されるために修復や額装が施され、調査・研究が行われます。収集に至るまでの物語も感じてほしい」(大槻学芸員)という。





