《大阪教育大附属・池田小児童殺傷事件25年》学校長「共に生きるために寛容さを」【全文掲載】

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 大阪教育大附属・池田小学校児童殺傷事件から25年を迎え、追悼式典「祈りと誓いの集い」での学校長の言葉は次の通り。

追悼の言葉を述べる荒川真一校長〈2026年6月8日午前 大阪府池田市〉

 今から 25年前の平成13年(2001年)6月8日、この時間に不審者の侵入を許してしまい、8人の児童の尊いいのちが奪われ、13人の児童と、2人の教職員が傷つけられるという大変悲しくつらい事件を防ぐことができませんでした。

 本校の事件以前にも学校が対象となる事件があったにもかかわらず、学校として自分事として捉えることが出来ていなかったため、不審者侵入に対する想定や対策ができていませんでした。また、迅速な対応や組織的な対応が取れなかったため、子供達を守ることができず、子供達および保護者の方々をはじめ多くの方々に悲しく、つらい思いをさせてしまうことになりました。

 現在では、様々な方々の思いを受けて作られた、安全に配慮された校舎で子供達は学ぶことができています。8家族お一人おひとりの皆様、本校保護者、地域の方々をはじめ、本校に関わってくださる多くの方々が、本校の教育活動を見守り、支えていただいていることに対して深く感謝いたします。多くの方々の支えと取り組みが積み重なり、現在にたどり着きました。学校の安全を保障する近道はありません。これからも地道な取り組みを継続していくことが大切であると考えています。

 事件当時の教職員は、二度とこのような悲しい事件が起こらないよう安全管理を徹底することと、いのちを大切にする教育を推進することを誓いました。
 現在、事件当時に本校に勤務していた教職員は本校にはおりません。しかし、今本校で勤務している教職員は、事件当時の教職員の思いや願いに寄り添おうとし、本校としてやるべきこと、発信すべきことを熱心に語り合ってくれています。また、児童と教職員のいのちを守るために、個人ではなく組織として対応することを念頭に置いた不審者対応訓練に年間 5 回以上取組むとともに、安全科の授業の充実に力を注いでくれています。

『祈りと誓いの集い』で献花する大阪教育大附属池田小の児童ら〈2026年6月8日午前 大阪府池田市〉

 さて、児童や教職員が入れ替わっていっても、児童や教職員たちは事件のことをしっかりと語り伝えていってくれています。高学年は低学年に、これまで自分が学んできたことを自分なりの言葉で語りかけてくれます。それを聞いた低学年の児童は、その思いを受け取り校長室にある 8 人の児童の写真の前に、祈りの気持ちを込めて作った絵や折り紙などの作品を置いてくれます。
 また、祈りと誓いの塔の周りの花壇の植替えの際には、児童達は亡くなった 8人の児童に思いを寄せながらマリーゴールドの花を植えました。

大阪教育大附属池田小にとって、毎年6月8日は“特別な日”児童らは花を持って登校〈2026年6月8日午前 大阪府池田市〉
6年生に向けた「安全科」の授業 モニターを通じて報道陣に公開された〈2026年6月8日 大阪府池田市〉

 本校の事件以後、世の中の学校安全に対する意識が変わり、様々な取り組みが行われ、子供達を守る取り組みは大きく前進してきました。しかし、事件から25年がたち、事件当時の学校関係者も年齢を重ね、学校現場から退く世代になりつつあります。また、事件当時、この世に生を受けていなかったり幼かったりと、事件当時を知らない教員も多くなってきて、事件が風化していくことに危惧を抱くこともあります。
 しかし、本校で起きた悲惨な事件が風化していくことは、子供達を守る学校安全の取り組みが後退していくことを意味します。この 6月8日をすべての教育にかかわる人々が本校で起きた悲惨な事件を自分事として捉える機会としていただき、各学校、各自治体、関係機関においてそれぞれの学校安全の体制について改めて見つめ直していただきたいと思います。

追悼の言葉を述べる荒川真一校長〈2026年6月8日午前 大阪府池田市〉※画像の一部を加工しています
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