日本の国蝶で準絶滅危惧種の「オオムラサキ」が、兵庫県川西市で6月に羽化した。
同市立明峰小学校で環境体験学習の授業にも取り入れられており、子どもたちは美しい羽を持つオオムラサキの生態を学び、その姿を楽しんでいる。
2008(平成20)年、「にほんの里100選」に選ばれ「日本一の里山」と称される川西市猪名川流域・黒川地区で、同市在住の環境省・環境カウンセラー、石津容子さんが「里山を博物館に」をテーマに約30年前から水生生物の調査研究を続けている。
石津さんはまた、流域の環境を守るため市民団体「身近な自然とまちを考える会」 を立ち上げ、 里山や水辺の観察会を企画・運営するなど自然環境保全の啓発に取り組む。
そして、2018(平成30)年から近隣にある同校で、3年生の子どもたちが理科の授業でオオムラサキを飼育し、自然との共生を考える学習がスタートした。
敷地内に設けられた飼育ケージには、オオムラサキの幼虫が葉を好むエノキ4本を地植えしている。今年は6月2日に2匹が羽化したのを皮切りに、現在は13 匹のサナギが羽化を待っている。

オオムラサキは、沖縄を除く全国に生息する。タテハチョウ(立羽蝶)科のチョウでは最大級とされ、華麗で風格もある。
羽を広げた大きさは約10センチにもなる。オスは羽の付け根あたりから半分が青紫色をしており、白い斑点(まだら)模様があるのが特徴。これとは対照的にメスは、オスのような鮮やかな青紫色の羽ではなく、赤茶けた色をしていてオスより一回り大きい。
1956(昭和31)年、75円切手の図案に採用されたことから、日本昆虫学会が1957(昭和32)年に国蝶とした。
しかし、全国的な長期調査によると、2000年代からオオムラサキの減少率は、年に約10.4%のペースで進む。
こうしたことから、 環境省は2006年にレッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物のリスト)で準絶滅危惧種に指定した。

オオムラサキは、幼虫の間、エノキの葉を食べてサナギになり、6~7月にかけて成虫になる。
子どもたちは「オオムラサキはとてもきれいで、かわいかった。実際に触れることもできてとても楽しかったし、もっとオオムラサキのことを知りたくなった」と話す。




