200羽のインコが誘う 古美術の新しい扉 香雪美術館コレクション×川上和歌子 “鳥”の名品ずらり

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 鳥たちは時空を超え、大阪・中之島に集まった。古美術と現代アートが共演するユニークな特別展「インコ イズ カミング! 香雪美術館コレクション×川上和歌子 ~ピコ&ピータといっしょに古美術鑑賞!」が中之島香雪美術館(大阪市北区)で開催されている。鳥にまつわる名品が並ぶ会場と周辺には、現代アーティスト川上和歌子さんが手掛けた大小さまざまな布製のインコ約200羽が舞い降り、来場者を古美術の世界へと導く。

展示風景

 公益財団法人香雪美術館(神戸市東灘区)は、刀剣・甲冑などの武具、仏教美術、書跡、近世絵画、茶道具まで幅広く古美術を所蔵することで知られる。一方、現代の暮らしの中では古美術に接する機会が少なくなり、「難しそう」「見方が分からない」と感じる人も少なくない。今回の展覧会は、そうした古美術への心理的な距離を縮めてもらおうと企画された。親しみやすいインコたちが案内役となり、古美術鑑賞をより自由で楽しい体験へと変える試みだ。

「花鳥図屏風」(江戸時代・18世紀)

 展示では、香雪美術館のコレクションから選ばれた、鳥をモチーフとした優品がずらりと並ぶ。前期の目玉の1つは、江戸時代の絵師・曾我蕭白による「鷹図」(明和4[1767]年ごろ)。鋭い眼光と力強い筆致が印象的で、奇想の画家と呼ばれた蕭白の迫力に満ちた世界を味わえる。同じく前期には、野々村仁清作「銹絵染付鴨形香炉」(江戸時代・17世紀)も登場。鴨の愛らしい表情や首の曲線、体の下に収まった足の造形まで丁寧に表現されていて、鳥好きのハートをわしづかみにする。葛飾北斎の「肉筆画帖」の一図「虹とほととぎす」(天保6[1835]年ごろ)は、雨上がりの空に架かる虹と初夏を告げる鳥の姿が、北斎ならではの的確な観察眼によって表現されている。

 後期には、桃山時代を代表する巨匠・長谷川等伯の「柳橋水車図屏風」(桃山時代・16~17世紀)が登場。金銀を大胆に用い、宇治川の情景を華やかに描いた名品で、今春、重要文化財に指定された。そのほか琳派ならではの洗練された意匠美が際立つ尾形乾山作「色絵立葵文透鉢」(江戸時代・18世紀)、虹色に輝く華やかな螺鈿(らでん)の盆「楼閣人物図螺鈿輪花盆」(明時代・15~16世紀)、戦乱の世をくぐり、大名の宝庫を転々とした「割高台茶碗 銘 長束割高台」(朝鮮時代・16世紀)など、多彩なジャンルの作品を公開。

野々村仁清「銹絵染付鴨形香炉」(江戸時代・17世紀)
葛飾北斎「肉筆画帖」より「虹とほととぎす」(江戸時代・天保6[1835]年ごろ)

「秋草鶏蒔絵螺鈿硯箱」(江戸~明治時代・19世紀)
さりげなく鑑賞しているインコ

 そして、展覧会をより特別なものにしているのが、1羽1羽、布で手作りされた川上さんのインコだ。さまざまな色・大きさの約200羽のインコたちは、会場で美術品をのぞき込んだり、壁やガラスケースの上にとまったり。さらに美術館が入るビルの窓から外を眺めたり、ビル内の飲食店に現れるなど、意外な場所にも姿を見せる。

 大阪府出身の川上さんは、布の立体作品を大量に配するインスタレーションで人気の現代アーティスト。1990年代から作品を発表し、近年は全長150センチ前後にもなる巨大インコを主役にした作品で高く評価されている。

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