兵庫県が2030年度にも、財政破綻の恐れがある「早期健全化団体」に転落する危機に直面している。阪神・淡路大震災の復興事業による巨額の借金や長期金利の上昇が要因。
「早期健全化団体」とは、自治体の収入に対する借金返済額の割合(実質公債費比率)が一定の基準(25%)を超え、国の厳格な監視と財政健全化計画の報告が義務付けられる、財政破綻する一歩手前の自治体を指す。
総務省によると、都道府県が「早期健全化団体」 に指定された例は過去にないという。

兵庫県の実質公債費比率は、2025(令和7)年度決算までの3年平均で18%を超え、今年(2026年)8月に県債(=借金)発行に国の許可が必要となる「起債許可団体」へ転落することが確実視されている。
「起債許可団体」は 早期健全化団体の前段階にあたる。いわば財政破綻の一歩手前。
県は「公債費負担適正化計画」をまとめ、8月に国に提出する予定。

さらに、過去に公共事業の用地取得のために発行した地方債の扱いで地方財政法違反の可能性も指摘されている。
県は2000年、公共事業の用地取得のため約490億円の地方債 「公共用地先行取得等事業債(用先債)」を発行。用地の一部は売却され、338億円の売却収入があったため、本来なら338億円分を県債の償還(=返済)に充当させなければならなかったが、2020(令和2)年、 借金返済のための貯金「県債管理基金」に組み入れるという不適切な処理をしていた。
用先債は用地の取得に限定して活用できるため、 返済に充てずに基金に積み立て借り換えたため、実質公債費比率を低く見せかけていたことになる。
この件については、すでに総務省から法に抵触する可能性があるとの指摘を受けている。


斎藤元彦知事は7月13日、兵庫県庁で開かれた持続可能な財政運営検討会を終え、「当時の知事(井戸敏三氏)から『全額借り換えと県債管理基金の残高を確保するよう指示があり、それに基づいて実施した 』との報告を受けている」と説明。外部の専門家による検証を行うという。

1995年の阪神・淡路大震災発生当時、国が被災自治体や住民を直接救済する制度が十分に整っておらず、特に個人住宅については「私有財産への公的補償はしない」という考えから、極めて限定的だった。
その後、被災者の生活再建を国全体で支える法整備が進み、 東日本大震災や能登半島地震などで活用されたが、復興に取り組む当時の兵庫県は、限られた制度のもとで厳しい状況に置かれていたという背景がうかがえる。






